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ライフ 週刊現代 日本

「年収4千万・退職金1億」最高裁判所エリートの羨ましすぎる境遇

裁判よりも「出世」が大事!

総選挙の際に、国民は「最高裁判事」の審査もするが、「誰だか顔も知らない」という日本人がほとんどだろう。全国3000人の裁判官のトップに立つ、エリート中のエリートたちの知られざる実態。

 

最高裁長官は年収4000万

最高裁判所の裁判官は、最高裁長官と最高裁判事のわずか15名で構成されている。

全国3008人の裁判官の頂点に君臨する彼らのうち、内部昇格ともいうべき裁判官からの抜擢が6名。他省庁からの登用が検察官2名、外交官と行政官僚がそれぞれ1名。弁護士会推薦の弁護士が4名、そして学者から1名を起用している。

その主な仕事は、全国各地の高等裁判所や地方裁判所で出された様々な判決を、統一解釈し、国の判断として最終的な判例として確定させる、最高裁判例を生み出すことにある。

裁判所の威信を保ち、司法への国民の信頼を高める責務を担っている彼らには、その役割にふさわしい名誉とともに、一般裁判官には及びもつかない処遇が与えられる。

有能なスタッフに囲まれた快適な職務環境、安全で広々とした住環境、そして退官後の生活の安定を支えてくれる高額退職金の支給である。

「高位の法官」たちは、毎朝午前9時前、公用車で皇居の桜田濠に面した最高裁判所にほぼ同時に乗り付ける。花崗岩で意匠をこらした荘厳な建物の北玄関は、この時ばかりは喧噪に包まれるが、日中は時間が止まったかのような静謐の中にある。

再び、喧噪がおとずれるのが午後5時過ぎ。彼らの退庁時間がやってきた時だ。重要な行事などが入っていなければ、多くの判事は、ここからまっすぐ帰宅するという。

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国有財産台帳('15年3月現在)で調べた限り、彼らの官舎は、いずれも都内の一等地にあり、一軒あたりの土地面積は平均1072平方メートル(324坪)。

そしてその月額使用料は、平均約10万円である。最高裁判事の月額給与約176万円(各種手当を含む)からすると、家賃負担比率はわずか5.7%程度だ。

周辺の高級マンション(広さ80平方メートル)の賃貸料が、月額70万円から100万円を下らないことからもわかるように、すぐれて優遇された処遇のもとに暮らしているのである。

また、重要文化財に指定されている新宿区の最高裁長官公邸は、現在、老朽化による改修工事中で、目黒区に「仮公邸」が用意されている。その使用料は無料である。

やがて退官の時期が訪れると、彼らには、「最高裁判所裁判官退職手当特例法」にもとづく手厚い退職金が支給される。

裁判官から最高裁入りした最高裁長官や同判事には、裁判官時代の退職金に加え、最高裁長官及び同判事の退職金が上乗せされるため、長官の場合でその手取り額は約1億100万円。同判事だと約9800万円となる(いずれも平均在任期間で試算)。

また、弁護士などから任官した最高裁判事も、同じ退職規定が適用されるため、平均在任期間6年で試算すると手取り退職金は約2280万円となる。大企業に勤める社員が、定年退職した際に支給される平均退職金2323万円(厚労省調査)に匹敵する額だ。

これほどの好待遇を受ける最高裁長官や最高裁判事は、どのような選抜基準のもと、どのようにして登用されるのか。

昨年度の裁判所の年間予算は、3153億円。これは国の一般会計予算96兆7218億円の0.3%にすぎない。緊縮財政とはいえ、約40年前の0.87%と比べ、かなり削減されている印象だ。

財務省相手に、予算折衝をするのが、最高裁事務総局である。ここに勤務する裁判官は、裁判をおこなうことのない「司法官僚」として、予算折衝以外にも、裁判所全体の管理、運営事務を担っている。

その事務総局の事務総長や司法研修所所長等を経て、高裁長官を歴任した者のなかから、普通、最高裁判事が選ばれる。明確なルールはないものの、これは周知の不文律である。

過去、事務総長、高裁長官を歴任しないで最高裁判事に任命されたのは1964年の岩田誠、1978年の中村治朗、1980年の谷口正孝の3名だけである。

最高裁事務総局での勤務経験のある元裁判官は、最高裁人事の実態についてこう語った。

「内部から昇格して最高裁入りする裁判官の多くは、若い頃に事務総局での勤務経験がある。しかも協調性があって、上司に楯突いたりしない。素直で、上司や同僚と仲良くやっていける人が多い。

だから、裁判部門に出たとしても、直ぐに呼び戻され、事務総局でのいろんな仕事を通して、局の幹部とつながっていく。

誰しも、知らない人より、よく知っている人のほうが登用しやすいために、『お友達人事』で引き上げられているというのが正直な感想です」