野村證券日本橋本社ビル前 photo by gettyimages
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巨艦・野村證券も動く!資産運用業界の「大淘汰」時代が始まった

金融庁の本気度がものすごい

「あの野村が公表してきたのは驚いた。本気になったということなのか」

5月中旬、資産運用業界の重鎮たちが集まった東京・神楽坂での会合の席。野村ホールディングス(HD)傘下の野村證券と野村アセットマネジメントが4月に発表した、「お客様の業務運営を実現するための方針」が話題を呼んだ。

金融庁がすべての資産運用・資産形成サービスにかかわる金融機関に求めた「顧客本位の業務運営に関する原則」(通称「フィデューシャリー・デューティー原則」)を公表した3月30日に、即座に受け入れ表明をしたHCアセットマネジメント、みずほフィナンシャルグループに次いで、業界最大手の野村証券が「先頭集団」として受け入れを発表したことに、少なからぬ衝撃が走ったのだ。

野村HD永井浩二CEO野村ホールディングスの永井浩二CEO photo by gettyimages

グループ会社の商品を特別扱いしない

実は、野村證券、野村アセットマネジメントが公表した今回の方針は、ふだんは野村に批判的な独立系(=銀行系など以外)の関係者からも「しっかりした内容だ」と高い評価を受けている。

たとえば、野村證券の方針では「利益相反の適切な管理」について以下のように示している。

「当社は、さまざまな金融サービスを提供する野村グループの一員であり、グループ内の別会社から提供を受けた商品を販売するなど、グループ内においてさまざまな利益相反が発生するリスクがあることから、これらを適切に管理することで、お客様の利益の保護を図ります」

「投資信託の取扱商品を決定する際には、評価機関による調査・分析を経て一定以上の評価がなされているものを採用する等、グループ会社の商品に捉われることなく、幅広い候補の中から品質の高いものを選定します」

 

「グループ会社の商品に捉われることなく」と明記したのは、「野村アセットマネジメントの商品だから」という理由で優先することなく、顧客利益の保護を最優先して、商品を販売するというスタンスを強調するためだ。

周囲からは「利益相反の存在とリスクを認め、正しく管理するというフィデューシャリー・デューティーの根幹を踏まえた模範的な内容だ」(資産運用会社社長)という評価の声が聞かれる。