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企業・経営

このたった一つのルールで、日本企業のガバナンスは劇的に変わるだろう

権限なき実力者たちは何をしているのか

顧問・相談役の情報開示がはじまる

おそらく、このルールが本当に機能するようになると、日本企業のコーポレートガバナンス、企業の意思決定の仕組みは劇的に変わることになるだろう。

「このルール」とは、政府が今年6月に成長戦略の“目玉施策”として打ち出す上場企業の「顧問・相談役」の情報開示制度だ。

具体的なルールづくりはこれからだが、誰が相談役や顧問で、どんな役割を担っているかなどを、東京証券取引所に提出が義務付けられている「コーポレートガバナンス報告書」に記載が求められるようになる見通しだ。2018年3月期から開示が始まることになりそうだ。

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これまで、社長や会長を退任しても「相談役」などとして会社に居残り、実質的に権力を握り続ける例は少なくなかった。

「天皇」や「ドン」などと呼ばれ、経営戦略から人事にいたるまで隠然たる力を持つ。こうした日本的とも言える人事慣行に、ようやくメスが入ることになったのだ。

第2次安倍内閣は、成長戦略の中で、「コーポレートガバナンスの強化」を打ち出し、上場企業への社外取締役の導入促進や上場企業としてのあるべき姿を示した「コーポレートガバナンス・コード」の制定などに取り組んできた。

こうしたガバナンス改革には海外の機関投資家などの評価が高く、「日本企業が変わるかもしれない」という期待感を持たせ、日本株投資を膨らませるきっかけになった。

 

こうした改革は、取締役会の権限強化や独立性強化に力点が置かれてきたが、そこに日本ならではの大きなネックがあった。相談役や顧問など「実力者」の存在だ。

いくらガバナンスの制度を整えても、制度で想定されたとおりには動かないことが明らかになったのである。制度上は権限がないはずの人物が実質的に最終決定権限を持っているケースは、大企業しかも老舗企業と言われるような日本を代表する企業にしばしばみられる。

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