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日本はアジア経済の「牽引役」の座を、中国へ明け渡すしかないのか

漂流するTPPと安倍首相の焦り

中国の鼻息が荒い理由

TPPが「漂流」している。

5月21日、ハノイで、離脱を表明したアメリカを除く11ヵ国が閣僚会合を開いたが、各国の主張は支離滅裂。『毎日新聞』(22日付)は次のように報じている。

〈 閣僚会合では食い違うテーマを避け、TPPの早期実現など原則論のみを確認。具体的な道筋については、11月まで検討期間を設けることで事実上、結論を先送りした。枠組み崩壊を防ぐ現実的な判断とも言えるが、その代償として、日本が訴える『11ヵ国での先行発効』を打ち出すことは断念せざるを得なかった。

強調維持を最優先した声明にもかかわらず、20日の主席交渉官会合ではまとめきれず、最終案ができたのは閣僚会合直前の21日午前7時。『こんな声明を出すのにも徹夜したんだ。簡単には進まない』。交渉参加者の一人は今後の交渉の難しさをこう吐露した 〉

11ヵ国閣僚会合の取りまとめ役は、最大の経済大国の日本である。はからずも、日本のリーダーシップのなさが露呈した格好となった。

 

これに較べて、21日、同じくハノイで開幕したRCEP(東アジア地域包括的経済連携)は、大いに盛り上がった。

RCEPを主導するのは、中国である。こちらは、今年11月のASEAN(東南アジア諸国連合)50周年での基本合意に向けて邁進している。日本は「ハードルの低い提携では意味がない」と抵抗を見せているが、中国とASEANが組んでいるので、多勢に無勢である。

RCEPは、東アジア共同体構想に入っている16ヵ国、すなわちASEAN10ヵ国と、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドによる自由貿易協定である。この協定が実現すれば、人口で世界の半数、GDPと貿易額で世界の3割を占める広域経済圏がアジアに出現することになる。

RCEPの最大のポイントは、アメリカが参加していないことだ。

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