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米軍が密かに開発した「オナラ爆弾」「フェロモン爆弾」「催淫爆弾」

約8億円投じたものの実用ならず

8億3000万円の研究費

役には立たないけれど「人々を笑わせ、考えさせた研究」を毎年表彰しているイグ・ノーベル賞。

「ウシのウンコからバニラの香りを抽出」('07年・化学賞)や「床に置かれたバナナの皮を踏んだときの摩擦の大きさの研究」('14年・物理学賞)など、日本からも数多くの受賞者が出ている。

歴代の授賞のなかでも、「そんなアホな」と一際注目を集めたのが、'07年、アメリカのライト・パターソン空軍研究所に贈られた平和賞だ。

研究のテーマは、「敵軍を殺傷することなく、規律や士気を下げさせる兵器の開発」。

なかでもユニークなアイディアだったのが「オナラ爆弾」だ。

これは、爆発するとオナラや強烈な口臭に似た悪臭を放つことで、敵を精神的に追い詰めることを期待した兵器。さらに、ニオイによる物理的な効果と同時に、敵の兵士が「屁をこいたのは誰だ?」と互いに疑心暗鬼に陥り、精神状態が攪乱されることも狙っていた。

研究所が残した文書によれば、オナラ爆弾の研究の歴史は古く、第二次世界大戦末期の'45年には既にアイディアの原型が出され、以来継続的にアメリカ軍のなかで研究が行われてきた。

しかし、試行錯誤の末にたどり着いた結論は「オナラの臭いは普段から嗅ぎ慣れているもので、それほどの混乱は起こらないのではないか」という極めて平凡なもの。

この文書にはオナラ爆弾の他にも、「戦闘地帯に大量の蜂の巣を隠し、敵軍が通過する瞬間にミツバチのフェロモンを噴射し、ハチに刺されるように仕向ける爆弾」や、「催淫剤をバラまき、敵兵に淫らな気持ちを催させて戦闘不能にする爆弾」など、荒唐無稽な兵器の開発をアメリカ軍が大真面目に検討していたことが記されている。

ちなみに、「非殺傷兵器プロジェクト」に投じられた費用は合計で約750万ドル(約8億3000万円)。これだけの巨費を投じたにもかかわらず、実用化に至ったアイディアはゼロ。

まさに、「屁にもならない」研究だった。

めざせイグ・ノーベル賞

週刊現代』2017年6月3日号より