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がん患者「働かなくていい」失言議員の、驚きの回答文書を公開

完全否定から一転…

「問い合わせがあることに驚いている」

「今回の発言は、飲食店における従業員の方の受動喫煙の議論をするなかで、『(喫煙が可能な店で無理して)働かなくていいのではないか』との趣旨でした。その発言が、がん患者が働かなくてもいいという趣旨でないことは、その後すぐに『そういうことは言ってないでしょ』と申し上げたことからもご理解いただけるものと思います。

しかし、がん患者や元患者の方の就労支援の厳しさを考えれば、私の発言の趣旨でもかん患者や元がん患者のお気持ちを深く傷つけたものとお詫び申し上げます」

22日午後1時15分、自民党本部内で行われた囲み会見で、大西英男・衆議院議員は報道陣に対して、こう釈明した。

大西議員が釈明をしたのは、自民党が5月15日に開いた厚生労働部会で飛んだヤジについてである。

同部会のなかで「受動喫煙の防止」についての議論がなされた際、自身も子宮頸がんを患った経験のある三原じゅん子議員が、「飲食店での受動喫煙防止策は必要。飲食店等で働いているがん患者もたくさんおり、治療している時に、喫煙する客のなかで働く苦しみはどれほどのものか、皆さんにも知ってほしい」と発言した際、男性議員が「(がん患者は)働かなくていいんだよ」と語気を荒らげて返したのだ。

がん患者の就労支援は、これまで政府が積極的に進めてきたものである。その姿勢を否定する発言であること自体も問題だが、がんを抱えながらも働くことを希望する人が多くいる中、その人たちに向かって「働かなくてもいい」とは、人権意識があまりに希薄だ。軽率な発言として批判を受けるのはやむを得ないだろう。

この発言の主が、東京16区選出・当選二回の大西英男議員であることは部会の直後から一部で話題になっていた。この週末にかけて各メディアが大西議員の名前を報じたため、冒頭の「釈明会見」が行われた、というわけだ。

現代ビジネス編集部は、18日夜の時点で、複数の関係者から大西議員が発言者であることを確認、19日金曜日午前に大西事務所に取材を申し込んでいた。そして、その日の夕方、事務所から返ってきたのがこの文面である。

<ご質問いただきましたことに回答いたします。「(がん患者は)働かなくていいんだ」との発言を私が行ったものではないかとのお問い合わせですが、こうした問い合わせがあることに驚いています。

私も齢を重ね、友人や知人にがんを克服し仕事に復帰している人、治療と仕事を両立している人が身近に多くいます。

そうした方々に敬意を持ち何か力になれないかと思うことはあっても、侮辱しようなどという気持ちは頭の片隅にもありません。

そうした中で、私がご指摘のような発言をしたことは絶対にありません。>

こちらは、念のため発言の有無を確認したうえで、その真意を問う質問を投げていたのだが、「『(がん患者は)働かなくていい』という発言を私が行ったという問い合わせがあることに驚いている」「私がご指摘のような発言をしたことは絶対にありません」と、発言したこと自体を完全否定しているのだ。

 

なぜ金曜日時点で否定したものを、今になって認めるのか。まさかこの土日の間に、あれが自分の発言だったことを思い出したというわけではあるまい。

発言を認めれば問題になるので、誤魔化すしかない、と判断したが、報道各社からの質問が殺到し、これはもう逃れられないとなっため、発言を認めざるをえなかった、ということだろう。この二転三転ぶりには、呆れるほかない。

(※記事公開後、大西事務所から<「働かなくていい」とは言ったが、「がん患者は」という意味ではなく、「喫煙可能な店で、無理をして働かなくていい」という意味であった。回答は、働かなくていいという発言をしたことを否定するものではない。よって、二転三転してはいない>との連絡があったことを付記しておく。)