防衛・安全保障

アメリカの「ぼったくり兵器」の押し売りに、ノーと言えない防衛省

価格が突然2倍に釣り上げられ…

技術者の生活費まで「コミコミ」

尖閣問題で揺れる東シナ海を高高度から監視する切り札として、防衛省が調達を決めた米国製の滞空型無人機「グローバルホーク」。2020年の導入を前にして早くもお荷物になりつつある。

3機の買い入れを決めたところ、米政府は調達から廃棄までのライフサイクルコストについて、機種選定の際に示していた金額の2倍近い3000億円以上を吹っ掛けてきたのだ。

費用がかかっても日本防衛に資するなら我慢もできよう。肝心の性能は防衛省が求めるレベルに及ばないことも判明、省内では「調達を断念すべきではないのか」との声も上がっている。

「えっ、また言ってきたのか」

今年4月中旬、米国防総省を通じて、グローバルホークを製造するノースロップ・グラマン社が機体価格を合計100億円値上げすると防衛省に伝えてきた。慌てた防衛省は5月半ば、急きょ担当幹部を米国へ派遣、国防総省や同社との間で協議を開始した。

機体価格は1機158億円で3機合計すると474億円。これを合計600億円程度まで値上げするというのだ。

値上げは今回が初めてではない。防衛省は2014年、滞空型無人機の機種を選定する際、ガーディアンER(米ジェネラルアトミック社)と比較し、グローバルホークに軍配を上げた。

グローバルホークは2万㍍の高高度から偵察する無人機で、武器は搭載していない。米空軍が63機を調達する予定だったが、開発の遅れと価格高騰により、45機に削減、またドイツが導入をキャンセルするなど、売れ行きはよくない。

その点、日本は救世主のはずだが、選定段階で3機を20年間使って廃棄するまでの総額、すなわちライフサイクルコストは約1700億円だと説明していた米政府は、機種選定が終わると3269億円に上方修正した。後出しじゃんけんとはこのことである。

一方の防衛省は2014年度防衛費に調査費2億円を計上したのを皮切りに、15年度154億円、16年度146億円、17年度168億円と取得費を積み上げて導入を既成事実化し、キャンセルしにくい状況となっている。

こうした日本側の事情を見透かすように米側は再び値上げを通告してきたのである。

 

グローバルホークの価格高騰は前例がある。米政府が2009年、韓国に示した金額は4機と要員訓練費などの合計約4億㌦(440億円)だったが、2012年米国が正式に売却を決めた際の価格は3倍の12億㌦(1320億円)になった。

「安値で釣り、高値で売る」という催眠商法のような米国流の武器商売は予想されていたにもかかわらず、防衛省はまんまとその手を食わされたことになる。防衛省が負担するのは機体価格だけではない。遠隔操作に必要な地上装置や整備用器材などを含めると導入にかかる初期費用は実に1000億円にもなる。

この負担とは別に維持管理のための費用が毎年約100億円もかかる。驚くべきことに、この費用の中に3機が配備される青森県の三沢基地に滞在することになる米人技術者40人の生活費約30億円が含まれているというのだ。

よもや技術者に支払う給料まで日本側に負担させるわけではないだろう。すると一人あたり、年間7500万円を日常生活にかける計算。どれだけ優雅な暮らしをさせようというのか。