Photo by iStock
医療・健康・食 ライフ 週刊現代

「新薬はよく効く」という大誤解…それは製薬会社の販売戦略です

知っておきたい新薬のデメリット

効果がある新薬は実はマレ?

「基本的に新薬の大半はこれまでの薬を改良したものです。まったく新しいオリジナルは滅多に出てこない。

たとえば最近の降圧剤には従来の薬を組み合わせて合剤にしているものがあります。そうすることで新薬として承認されれば、特許が切れる期間を先延ばしすることができるのです」

こう語るのは新日本橋石井クリニックの石井光院長だ。新しい薬――そう聞くと、あたかも難病をたちまち根治してくれそうなイメージを抱く患者も多い。

だが残念ながら、それは大きな誤解だ。そのような効果がある新薬は極めて稀である。石井氏が続ける。

「新薬は必ず治験を経て承認されます。医師も被験者も、誰にどの薬を投与したのかわからなくした環境で試験を行いますが、投与される薬のなかには、まったく薬効成分が入っていないもの(プラセボ)も含まれます。

新薬は6割の人に効いたら承認されるのですが、実際には新薬としてプラセボを飲んだ人でも3割に効果がある。

つまりプラセボ効果群を除けば、本当に薬の効果が出ているのは実質3割です。100%の人に効く新薬なんて副作用が強過ぎて認可されません」

Photo by iStock

新薬が出れば、当然製薬会社はそれを主力商品として売り出す。MR(医薬情報担当者)が積極的に医者に対して情報提供し、使ってもらおうとアピールする。それはもちろん儲かるからだ。

大手製薬会社の元MRが語る。

「新薬が登場するのはたいてい、それまで使われていた薬の特許が切れてジェネリックが現れる頃と決まっています。

ジェネリックが登場すれば、それまで稼ぎ頭だった薬の売り上げは急減するので、それをカバーするために新薬を投入するのです。そうやって薬の開発費用を回収しないとなかなか儲からないのですよ」

 

MRが積極的に薦めるので、「それでは使ってみようかな」と考える医者も出てくる。だが、本当にそれがいい薬だとは限らない。

RDクリニック顧問の北條元治氏が語る。

「たとえばステロイドは100年近い歴史がありますが、それだけ長く使われているのは、やはりよい薬だからです。

新しい薬がよく効くという考え方は、製薬メーカーの販売戦略に乗せられているともいえる。

新薬として鳴り物入りで発売されても、徐々に良くない薬だとわかって来れば、使われなくなるようになるものです。

ステロイドの他にも、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンも100年以上昔からある古典的な薬ですが、非常によくできた薬でいまもよく使われていますね。このような薬は製薬メーカーにとっては『うま味』のない商品かもしれませんが……」