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医療・健康・食 ライフ 週刊現代

コレステロール値の大誤解~「高めのほうが長生き」というデータも

薬を飲めば飲むほど不健康になる!?

「基準値220」の大ウソ

コレステロール値を下げる薬、スタチンクレストールリピトールなど)。日本で最初に開発され、いまや世界中で約3000万人が服用していると言われるが、その効果には専門家の間でも疑問があるという。

「私は専門医として、これまでコレステロールの薬をたくさんの患者さんに処方してきました。総死亡率を下げるという論文もいくつかあったので、信じていたのですが、その後、その論文で行われた調査が欠陥だらけで、いろいろな副作用があることも分かりました。

特殊な病気は別として、少し数値が悪いぐらいでは、コレステロールの薬は必要ないと思っています」(新潟大学名誉教授・岡田正彦氏)

 

スタチンに分類されるクレストールの'15年度の国内売上高は437億円、リピトールも309億円に上る。

「スタチンが多用されているのは、血中のLDLコレステロール値が高いと心筋梗塞や脳梗塞になりやすいというデータがあるからです。

しかし、この薬を飲んでいる人と飲んでいない人とで、心筋梗塞の発生率がどれくらい変わるかと言えば、3割程度。食事療法と効果は変わりません。

体重を数kg落とすだけで、コレステロール値はグンと下がります。自力で改善できるのが生活習慣病なんです」(長尾クリニック院長・長尾和宏氏)

日本動脈硬化学会が定める基準値によれば、総コレステロール値が220以上ならば、高コレステロール血症にあてはまる。だが、健康増進クリニック院長の水上治氏はこう言う。

「この数値にはなんの科学的根拠もありません。とにかく低いほうが健康だと誤解されていますが、実際には男女ともコレステロールが高めのほうが長生きしているんです。

大切なことは身体全体を診ながら、自分が健康で長生きできる数値を探ることです。その意味では、私は総コレステロール値は250くらいの高めのほうがいいと考えています」

水上氏のもとに外来で訪れた40代女性のケースを紹介しよう。

彼女は健康診断を受けて、コレステロール値が245だった。他の数値はまったく問題ナシ。だが、医師からは食事療法と運動療法を指示されたという。彼女は大好きだった肉を控えて野菜中心の食生活に変え、毎日ウォーキングに励んだ。

にもかかわらず、1~2ヵ月経っても、数値はまったく改善しなかった。彼女はだんだんとストレスが溜まっていき、薬を飲むしかないと考えていた。

「そういう段階で私のもとにいらしたわけですが、その数値はむしろ健康長寿の値だとお話ししたところ、安堵して帰られました。同じような悩みを抱えている方がけっこう多いんです」(水上氏)

基準値に惑わされる必要はまったくないのだ。