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日本経済は本当にデフレから脱却しつつあるのか? 意外な検証結果

日銀の金融政策は効果的だった!?

インフレ率の上昇はまだか

5月18日に2017年1-3月期のGDP速報値が発表される。最近では、このGDP速報値の結果が株価の材料になることは滅多にないが、エコノミストにとっては一大イベントである。

今回の1-3月期GDPでは、輸出の好調と回復傾向にある消費が寄与し、その成長率は少なくともプラス成長は維持し、年率換算で2%超の「高成長」を予想するエコノミストも少なからず存在するようだ。

このように、GDPの数字をみるかぎり、少なくとも最近の日本経済の状況は「危機的」という感じではないのは確かだ。それどころか、失業率の低下などの雇用環境の改善を考えると、「デフレ脱却に向けて再び歩み始めた」とする強気の論者もいる。

実際、雇用環境が極めて良好であるのは確かだ。

だが、その一方で、インフレ率は一向に上昇する気配がない。

 

どこからかとはあえて言わないが、ここ数年、毎年この時期には、「夏頃にはインフレ率は上昇を開始し、来年半ば頃には目標の2%近傍に到達する」という楽観的なシナリオを聞くのが年中行事のようになっている。だが、残念ながら当たったためしがない。

しかも、欧州諸国をはじめ、世界を見渡せば、昨年10月頃からインフレ率が上昇し始めた国を多く見かける。それでも日本は、例外的に、現在もインフレ率はほぼゼロ%近傍にはりついたままである。

ところで、2013年春に発足した日銀の現体制は、金融政策の「レジーム」を変えることによって、デフレからの脱却(すなわち、インフレ率を目標の2%近傍まで引き上げること)を目指している。

そして、現体制で最初に実施された「QQE(量的質的金融緩和)政策」は、この「金融政策のレジーム転換」を象徴する大胆な金融緩和政策であった。

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この金融政策の「レジーム転換」が上手く機能しているか否かは、日銀の現体制発足以降、現在まで、学界や市場関係者の間で活発な議論がなされている。

だが、前述のように、日銀の執行部が高らかに「レジーム転換」をうたったわりには、インフレ率の「レジーム転換」についての議論はほとんどなされていない。

そもそも、金融政策のレジーム転換によって、インフレ率の「レジーム」が転換した(すなわち、世の中のデフレマインドが払拭されつつあること)か否かを定量的に議論しているものはほとんど見当たらない。

そのような中で、(現体制の)金融政策を評価しようとしていること自体、筆者にとっては、不思議なことである。

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