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日本メディアが見誤る韓国・文在寅新政権の「本音」
緊迫の東アジア情勢をどう乗り切るのか
近藤 大介 プロフィール

日本との対立はない

最後に、日本に対しても、メディアが煽っているほどには対日関係を悪化させることはないだろうと私は楽観視している。

まず第一に、山積する内政および外交問題のなかで、日本との問題の優先順位は高くない。

一見すると全てにおいて朴槿恵前大統領を否定するかのような文在寅大統領だが、一点だけ前任者を踏襲していることがある。それは、アメリカ・中国・日本の順に外交上の優先国を設定していることだ。

4年前、朴槿恵大統領は就任演説で「アメリカ・中国・日本と親善関係を結ぶ」と述べた。大統領就任式典に安倍首相の特使として参加していた麻生副総理兼財務相は驚いた。それまでの歴代大統領は皆、アメリカ・日本・中国の順に述べていたからだ。

 

それが今回、文大統領も就任演説でこう述べている。

「必要なら、直ちに米ワシントンに行きます。北京と東京にも行きます」

このように、やはりアメリカ・中国・日本という順番なのである。ちなみに文大統領が電話会談を行ったのも、トランプ大統領、習近平主席、安倍首相の順番だった。

文在寅大統領はこの5月中に、韓国きっての知日派である文喜相元韓日議員連盟会長を大統領特使として安倍首相のもとに派遣する予定である。

その意味するところは、「決して日本との対立など考えていない」ということだ。

日本としては、まずは、この“常識的”な韓国の新政権を暖かく見守っていくべきであろう。