格差・貧困 ライフ

最強の収入「裏っ引き」 月3回出勤で200万円稼ぐ夜のオネエサン

オンナの収支報告書【20】
鈴木 涼美 プロフィール

鈴木涼美さんが独自の人脈を駆使して「オンナのおカネの稼ぎ方・使い方」について取材・考察する本連載。今回は、「証拠も残さず、税務申告から逃れやすい」最強の稼ぎ方・「裏っ引き」についてご紹介します。

※バックナンバーはこちら http://gendai.ismedia.jp/list/author/suzumisuzuki

「裏っ引き」はある意味最強の収入

キャバクラでナンバーワンをとるのは大変だ。休まず出勤して、暇があれば営業をかけ、自分ブランディングと客マーケティングを怠らず、体メンテと整形も怠らず、テーブルマナーを磨き話術を磨き、時事問題や流行にも触れ、それでも才能のない者にはなかなか掴めない。

実感乏しいアベノミクス景気なんかでしみったれた日本のおじさま方の財布が緩むわけもないこんな世の中じゃ、水商売になんて手を出したところで、月に100万円以上稼ぐ、つまり200万円以上売り上げるというのはなかなかハードルが高い。

 

では、そんな営業力も愛想も化粧技術もない、それほど頑張って出勤する自信もないけどお金を稼ぎたいという人が、安易に風俗を選んだところで、風俗店で安定して高額を稼ぐというのもまた特殊な才能と努力がいる。

ここ数年、風俗が「誰でも稼げる」時代は終わった、という言い回しをよく拝見するが、そもそもそんな時代があったかどうかさておき、当然長く安定して稼ぐために必要なリピートさせる力がある女の子というのは限られている。

デリヘルにしろソープにしろ、日払い系の夜職というのは半年間急いで稼ぐという意味での門戸は広いが、逆に言えば半年間急いで稼ぐ以上のことは向こうからは用意してくれない。

風俗店のランカーは美しい者ばかりだし、単価が上がれば上がるほど、言葉遣いも物腰も一流になる。当たり前である。AVに出演したり整形したり髪を染めたり服装を研究したりしながら客を待ち、接客やサービスでもまた心をつかもうと努力する。

ただ、多くのリポートが報告するように、風俗店で条件よく稼ぐには容姿やコミュニケーション能力など、社会で受け入れられる力が必要だが、それでは夜職の醍醐味の半分くらいしか説明したことにならない。

photo by iStock

別に、キャバクラでナンバー入りしたり風俗店で人気嬢になったりすることだけが、夜に稼ぐ道ではない。むしろ、私は客から店を通さずに受け取る現金、つまりチップ・裏っ引き・直引きこそがある意味最強の収入だと思っている。

1本の手取りが5万円のソープでも、1日に稼げる額というのは時間的な限界がある上に、1つの店で半年以上ずっと予約で埋めるというのはなかなか凡人に成し遂げられることではない。

が、客個人を籠絡し、個人的にお小遣いをもらうのであれば、その額は時間や体力に制限されることもない。しかも、(当然、時に贈与税の控除額を超える額であるにもかかわらず)証拠を残さず税務申告から逃れやすいという意味でも最強である。

表向きに見えるオカネで惑わされて一喜一憂してもしょうがないのだ。夜の世界はもうちょっとは複雑にできている。

例えば、AV女優のギャラは確かにここ10年で下落傾向にある。安いギャラでAV出演する女性が増えて世間に疑問と驚愕の目で眼差されているが、彼女たちの中には風俗店で有利な条件で働くため、自分の風俗単価を高めるためにAVを利用している女の子も少なからずいるわけで、何もAVにお金を求めていなかったりする。

それと構造は似ているが、風俗店での稼ぎが世間的に見て満足のいくような額でなくとも、それをもって風俗嬢の貧困を語るのはあまりに短絡的すぎる。

風俗店に月に3回しか出勤せず、1回の出勤で得ている給料が5万円以下であっても、月に200万円以上の収入のある女の子というのは結構いる。彼女たちにとって風俗店は良い人と出会う狩場のようなものであってそこで稼ぐ給料ははなからあてにしていない場合だってあるのだ。

また、デリヘルでチップをもらって本番行為を繰り返すいわゆる本番嬢もまた、額面の収入というのはあまりあてにならない。交際クラブの設定金額もまたそうで、5万円なんていう安いものであったとしても、高収入男性と効率よく知り合い、いざという時に高額を引き出すことを考える女の子にとっては屁でもない。

 
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