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経済・財政
世界経済はリーマン後最強!安倍政権の「成長戦略」はどう出るか
日銀黒田総裁も強気の姿勢

今の世界経済は最強

やや旧聞に属するが、4月20~21日にワシントンで開催された20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ラグラム・ラジャン元インド中銀総裁が耳目を集めた。

日本では報道されなかったが、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の同22日付電子版が「嵐の中の春休み―種々リスク残るも世界経済は金融危機以降で最強」と題した特集記事の中で同氏の発言を紹介している。

 

世界経済の現状について、同紙は冒頭で「これまでと違うのは、初めてエンジン全てが点火していることだ」とラジャン氏発言を引用した上で、こう報じたのだ。

「Brexit(英国のEU離脱)やトランプ(米大統領)が世界経済に破滅と憂鬱と貿易戦争をもたらすはずだったが、時が多くの予想を後退させた。そしてG20会議は春爛漫に相応しい楽観的な見方で溢れていた」

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IMFは先立つ18日、危機を脱した中国経済や日本と欧州の景気改善を基に、世界の成長見通しを6年ぶりに引き上げた。

完全雇用に近づく米国が大型財政出動に踏み切り先進国経済の回復を牽引し、原油・資源価格反発などで新興国経済も上向き、製造業と貿易の幅広い回復により、今年の世界経済の成長率を3.5%とする予想を公表した。

地政学リスクなどから欧米諸国の政治は10年に及ぶ不安に圧迫されてきたが、ここに来て世界経済は2008年のリーマン・ショックなどの金融危機以降で最も力強くなっているのだ。

事実、先のFT紙は、マーク・カーニー英中銀総裁の「過去6ヵ月間に世界経済の見通しはよりポジティブになった」という発言を伝えている。

但し、同総裁は「大手企業の熱意と支出にはかなり大きな差がある」とした上で、ソフトの信頼感データとハードの景気循環の不可解なギャップを指摘、さらにBrexitや「トランプ・ポピュリズム」といった政治リスクを不安視することを忘れていない。