台湾 ライフ

日本と台湾が合体? となる前に、とっても重要な予備知識。

在台15年コーディネーターの比較文化論
青木 由香 プロフィール

義母がガッツリしゃしゃり出る

ビジネスの関係は、嫌なら簡単に切ればいいが、恋が芽生えて、結婚にでもなったらそうはいかない。

台湾の男性は、女性をとても大事にする。デートの際の送り迎え、食事の負担、女性の小さなプリプリの手提げ鞄まで持ってくれる。初めてこれを目にしたときは、台湾には随分と特殊な趣味の男性がいるものだと思った。これは、「荷物を女性に持たせるのはかわいそう。」ということらしい。

photo by Yuka Aoki

結婚すれば、男側の両親が住む場所を何らかの形で用意してくれる。旦那は、子供の面倒もご飯も作ってくれる人も多く、女性にとってパラダイス!と思いきや、義母がガッツリしゃしゃり出る。

手を差し伸べれば、漏れなく口も出すのは世の常だ。結婚式を仕切り、ウェディングドレス選びにまで口を出し、果てはお義母さんまでドレス着てヘアメイクを一緒にして、フォトスタジオで撮影するという恐ろしい話もある。

そして、旦那の出身地が田舎になればなるほど、長男の嫁ならとにかく男を産めとプレッシャーがかかる。産んだら産んだで子育てへの猛烈な介入も間違いなし。こんなだから、女性は結婚への興味がどんどん薄まっていく。今年3月には台北の結婚率は最低記録を更新している。

台湾人との恋愛中の人には、脅しのように聞こえるが、基本、親世代はもっと親日なので、例のギャラリーの原理が起こる可能性も非常に高い。私の周りには、家庭的でマメな日本人男性が台湾人女性と結婚して台湾に住むという一番平和なケースが多い。

 

東日本大震災で台湾から巨額の義援金が送られてきたこの時を境に、台湾が親日なのが日本中に知れ渡った。それまでは、日本で台湾がこんなにも話題に上ることはあっただろうか。奇しくも義援金の額から台湾が気になり、遊びに行ってみたら、安い、近い、美味い、人がいい。そして、みんなが台湾にハマり始めた。

それと同時に日台間では航空協定が結ばれ、地方の小さな空港からも台湾へに直行便が運行し始め、不動の人気旅行先だった韓国の反日が目立ち、欧米はテロ。じゃあ、香港?と思いきや、物価が高い。さらに台湾の心地よさが際立って、台湾ブームは不動のものとなった。

2011年以降、日本からの訪台者数は3年で約3倍。台湾からの訪日者数は、同じく3年で約4倍にはね上がり、2012年には台湾に投資する件数が2倍近くになった。その後もずっと右肩上がり。もう本当に一つになってしまう、と思わずにいられない。

青木由香(あおき・ゆか)
神奈川県生まれ。多摩美術大学卒業後、世界各国を旅行し、2003年より台湾に住む。’05年、台湾の出版社から出版した『奇怪ねー台湾』がベストセラーになり、現地で一躍有名人に。