photo by Yuka Aoki
台湾 ライフ
日本と台湾が合体? となる前に、とっても重要な予備知識。
在台15年コーディネーターの比較文化論

地球上で一番日本への関心が高い場所

「日本と台湾はそのうち一つになっちゃうんじゃないか?」

最近よくそんなこと思う。日台間で行き来する観光客数は年々増え続け、台湾のどんな僻地にも普通に日本語が聞こえ、日本では大量の台湾人がかなりの細部にまで日々出没している。

地球上で一番日本に関心が高いこの台湾を、もうただの観光スポットとして見るだけでは済まないのです。例えあなたが台湾に一生行かなくても、台湾人はもうあなたの住む町までやってきています。ハッと、気づけば隣りにいる台湾人と恋に落ちる可能性もなきにしもあらず、そんな時代になのです。

photo by Yuka Aoki

台湾が、親日で近くて美味しくてお茶やマッサージや人の良さが癒しなのは、ここ数年すっかり知れ渡った事実。1895年から終戦までの50年間、台湾は日本に統治されていた。

日本語も演歌の心も理解する人が多く、私たちはうっかり丸腰で台湾に接近してしまうが、台湾には日本とはちがう強烈な個性がある。台湾人を知るには政治や歴史に加えて、その辺を理解しておかねばならない。

そのうちの一つは、目新しいものが大好きなところ。商売をする上では、流行りが作りやすくていいのだが、新しいもの好きは人間に対してもそうだから、戸惑ってしまう。

外人である私たちなんて、もう大好物。関係がフレッシュであるうちは、容赦なく絡んでくる。台湾人の集まりに呼ばれて行くと、そこで新たに知り合った台湾人が「今度ご飯を食べよう。」というから、社交辞令で軽くLINEでも交換しようものなら、その日別れた瞬間からガンガンLINEが入り、少なくとも次の週末までには本当にまた会うことになるのだ。

『好客(ハオカァ)』と言う、おもてなし好きを意味する単語は、台湾人もよく自分たちに使う形容詞。人にお金を借りてでも、お客さんにはご飯を奢りたがるし、遠路はるばるやって来た外国からのお客さんであればなおさらで、その物珍しさに興奮して、仕事もそっちのけで案内してくれる。

日本にはこれに対して『本音と建前』という言葉がある。地球上から混乱を招くと忌み嫌われている特徴だ。日本の侘び寂びまで理解する台湾人でもこれには苦戦している。

 

例えば、さんざ台湾で相手にしてあげた日本人が「日本に来るときがあったら、是非お知らせください。」と言って帰って行く。言われた台湾人は、いつの日か日本に行くその時までその言葉を信じて生きるわけだ。

ところが来日のチャンスが到来し、日本の知人に連絡を入れると、「今忙しいけど、この週末のこの時間だけならなんとか…」とか「日本に着いたら、また連絡ください。」とかウエルカム感の薄いシラけた答え。会ってくれるだけでもまだいい方。入国した瞬間から出国するまでべったり案内したあの一時はなんだったのか。

こんな日本人の対応にしょんぼりしている台湾人は少なくない。でも、日本の社会は台湾のように自由度高く会社を休めるわけじゃないし、その辺は接待する気が本気であるなら「来ることが決まったら2、3ヵ月前には連絡くださいね。」としておくのがベター。

また、台湾人が飽きるとまるで知り合いだったことが嘘のようにパタリと連絡がこなくなる。私のように台湾に15年も住んでいると、彼らにとって全然新しくも珍しくもない存在にランクダウンし誰からもお誘いがかからなくなる。後から来たフレッシュな日本人は、お誕生日やらクリスマスに呼ばれていていいなぁとか、すざまじい格下げぶりに随分としょんぼりしてしまう。