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「絶望の老後」を送らないために、やっておくべき30のこと
これだけで1000万円の差がつく!
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住まない実家は売る

ターニングポイントは77歳。自分がその年を迎えた時のことも現実的にいまから考えておこう。

「77歳になったら要介護認定調査を受けることをお勧めします。もちろん、要介護にならない人が多数ですが、『要支援1』の認定は意外に多い。

要支援1と認定されると、ケアマネージャーこそつきませんが、行政の担当者が目配りしてくれるようになり、状態が変化したときに認定調査を受けるのがスムーズです。

また、予防給付金を利用してヘルパーやリハビリ施設の利用、段差解消工事や、和式トイレの洋式トイレへの改修工事(上限20万円)も1割~2割負担でできます。財政が豊かな自治体では、浴槽の変更工事の助成もあるので、早い段階で介護申請することのメリットは大きいですよ。

高額になると思いがちな施設入居ですが、公設のケアハウスなどは、年金収入より利用料がかなり安い場合が多いですし、バランスのいい食事と転びにくい環境で、健康寿命が延びる可能性が高い。その結果、生涯介護費用が安くなる可能性が高まります。

90歳の主人の母は、入居して3年で貯金を100万円増やしたというのが、自慢なんです(笑)」(三村氏)

 

老親の介護認定に関して、認定調査には絶対に自身も立ち会うべきだと専門家は口を揃える。

「要介護の認定は、当事者がケアマネージャーと自宅か病院で面接を行います。面接は2~3時間で、ケアマネの問診で要支援1から要介護5までの7段階で判定されます。認定はこの時の一発勝負で決まると言ってもいいでしょう。

高齢者はこの際に、ケアマネの前で張り切ってしまう人が多いんです。普段は多くのことができないのに、ケアマネの前で『たまには食事も作る』と強がったり、立ち上がったりしてしまう。

その結果、ケアマネは意外としっかりしているという印象を受けて、実際より介護度の低い判定を出すことがよくあるんです。

絶対に子供が立ち会って、『親はこう言っていますが、できません』と修正してあげることが重要です」(医療コーディネーターの川上憂子氏)

親が介護施設に入所するか、亡くなってしまった場合、住んでいた実家の処分が問題となる。

「相続する予定のマンションで、自分が住む予定がないのであれば、できるだけ早く売ったほうがいいでしょう。持っていると固定資産税などもかかります。

将来的に日本の人口は増えませんし、東京五輪の後にはマンション価格が暴落する可能性があります。売りたくても売れない状況になる前に手放したほうがいい」(前出・深野氏)

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親が戸建てを持っている場合、事態は複雑だ。放置していると、無駄なコストがかかる。

「一番大きいのは固定資産税と都市計画税です。地域によって税額が違うのですが、首都圏郊外の一戸建ての場合、年間15万~20万円くらいの税金がかかります。

税金以外にも、庭の手入れにおカネがかかったり、メンテナンスなどで手間がかかったりします。親が存命であれば、生前に荷物を片付けてもらうよう、お願いしておきましょう。

土地の境界の確認も、早めにやっておくべきです。いざ相続となり、売却しようと思っても、境界が確定していないと売れません。土地家屋調査士や不動産鑑定士に依頼して、土地の権利関係を整理しておくことが大切です」(不動産コンサルタントの牧野知弘氏)