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「絶望の老後」を送らないために、やっておくべき30のこと

これだけで1000万円の差がつく!

80歳、90歳まで生きるのは、いまや当たり前の時代になった。退職後の人生が昔より劇的に長くなったからこそ、考えるべきはおカネのことだ。できるだけ損はしたくない。

 

お得な公的年金の受け取り方

男性は79.55歳、女性は86.3歳――。厚生労働省が今年発表した日本人の平均寿命だ。

65歳まで働いたとしても、男性は15年近く、女性は20年以上生きる計算になる。長寿は喜ばしいことだが、先立つものがなければ、老後は長く厳しいものになる。

つまり、カネだ。

60歳を超えてから劇的に増やすことはできないかもしれないが、いまからやっておけば、70歳をすぎて損をしない方法がある。まずは、老後資金の一番の支えとなる年金だ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が話す。

「国民年金は65歳から支給されますが、希望すれば60歳から70歳の間で、もらう時期をずらすことができます。

たとえば、60歳からの繰り上げ支給を選ぶと、支給額は65歳からもらう場合に比べて月3割減額されます。長くもらえる分、総額は減る可能性があるのです。損益分岐点は77歳前後。

76歳までに亡くなると、60歳からもらいはじめたほうがよかったわけで、77歳以降も生きれば65歳からもらったほうがよかったことになります」

一方、70歳からの繰り下げ受給を選ぶと、65歳からもらった場合に比べて月々約4割強、支給額が増える。この場合の損益分岐点は82歳で、これ以上長く生きれば繰り下げ受給のほうがよかったことになるという。

「平均寿命がどんどん延びていて、80歳まで生きる人がザラにいることを考えると、繰り上げ受給はあまりお得だとは言えません。年金は個人単位でもらうものですから、夫婦のどちらかが繰り下げるという選択肢もあります。

女性のほうが長生きであることを考えれば、夫の年金は65歳から受け取り、妻は70歳から受け取るのがいいかもしれません」(荻原氏)

妻が年下で厚生年金に20年以上加入していない場合は、夫の厚生年金に加給年金が加算される。

「妻が65歳になるまで、年に約40万円の加給年金を受け取れます。この場合、夫が厚生年金をいつから受け取るかに注意をしてください。繰り下げ受給を選択すると、その期間中は加給年金がもらえません。仮に5年繰り下げると、最大約200万円を損するのと同じになってしまいます」(ファイナンシャルプランナーの大沼恵美子氏)

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'61年4月2日以降に生まれた男性から、年金は完全に65歳以降の支給になる。会社員人生を送ってきた人にとって、無年金時代の支えになるのが、退職金だろう。

その退職金だが、近年は分割して年金として受け取る方法が人気を集めている。一括で大金を手にして下手な運用に手を出すよりも、会社に運用をしてもらったほうが安心というわけだ。

「退職者が一時金ですべてを受け取るか、10年分割の年金で受け取るか、一時金と年金に分けて受け取るかを選択できるケースが多いのですが、どれがトクなのか、非常にわかりにくい。結論から言うと、一時金でもらうのがもっとも得ということになります」(ライフカウンセラーの紀平正幸氏)

60歳で定年退職し、大卒の平均的な退職金2000万円を手にし、65歳までは再雇用制度で勤務(年収350万円)、65歳から年金(年間220万円)を受給するケースで紀平氏が試算した。