経済の死角

ダダ漏れなのか! ストロンチウム90が海を殺す恐怖

東電の情報操作にはもうウンザリだ!

2011年05月21日(土) フライデー
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福島第一の排気筒から約500m地点の土壌からも、1㎏当たり約570ベクレルのストロンチウムが検出された(5月8日・東電発表)[PHOTO]エア.フォト.サービス

 白血病やがんを引き起こし、海洋生物の捕食で10倍も濃縮される猛毒が1ヵ月も前にバラ撒かれていた

「4月18日に海水を採取しておきながらストロンチウムの検出発表が5月8日までずれ込んだのは、意図的なものがあったのか、単に慎重を期したのか---。いずれにしても一科学者として私見を言えば、約3週間も掛かったのは遅すぎる。放射性物質についてはいまだ科学が解明できていない領域が多いことも確かだが、だからこそ分かる範囲の事実を早急に公表することが求められます。3・11からもう2ヵ月が経ったのに、東電はそんな基本的な危機管理すらできていない」

 名古屋大学名誉教授でNPO法人「原子力資料情報室」の古川路明氏は失望を隠さない。東京電力は5月8日、福島第一原発の周辺の海で4月18日に採取した海水から、放射性物質「ストロンチウム89」と「ストロンチウム90」を初めて検出したと発表した。海水は第一原発の放水口付近と、第一、第二原発の15km沖で採取され、ストロンチウム89は1立方センチメートルあたり0・035~0・069ベクレル、ストロンチウム90は同0・0046~0・0093ベクレルで、法令限度の約8分の1から3分の1のレベルだった。

 これを受け、原発敷地外で放射能モニタリングを行っている文部科学省も今後、海洋のストロンチウム調査を実施するというが、すでに〝空白の3週間〟にどれだけの量のストロンチウムがバラ撒かれたのか分からないのだ。元日本原子力研究所室長の笠井篤氏も「何を今さら」と苛立滲ませる。

「東電は放射性ヨウ素や放射性セシウムについてはモニタリングしていたのに、ストロンチウムの海洋汚染に関しては事故後約40日が経過するまでまったく計測を行っていなかった。ストロンチウム89やストロンチウム90はヨウ素やセシウムが検出されていた時点で当然検出されるはずの物質ですから、もっと早期にモニタリングをするべきだった」

 なぜ計測が4月18日にずれ込んだのかを東電に聞くと、「すぐにはお答えできません」(広報部)

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