医療・健康・食 ライフ 週刊現代
医者は患者にコレを言われると、内心ものすごくムッとする
トラブルの多くは「患者様意識」が原因
週刊現代 プロフィール

患者は「客」ではない

また、外来に訪れた患者に、くどくどと要領を得ない長話をされ、内心イラッとしている医師もいるという。ではどうやって医者に自分の症状を説明すれば、快く診てもらえるのか。

「外来ではどうしても一人当たりの診察時間が限られているので、要点を2~3個に絞って、説明、質問するといいでしょう。

口下手な人、あがりやすい人は、あらかじめ病気の経過や疑問点を1枚の用紙にまとめて、それを受付で渡すのも上手な受診法です」(フリーの麻酔科医・筒井冨美氏)

Photo by iStock

患者の話を親身になって聞かない医者は問題だ。だが患者自身も自らを省みるべきケースもあるだろう。

昭和大学横浜市北部病院の南淵明宏氏が言う。

「生活習慣の改善もせずに、薬さえ飲んでいれば治ると思い込んでいる患者さんに『よくならないんですけど』と言われると、正直ムッとします。医者は患者さんの協力なくして病気を治すことはできませんから。なんでもかんでも薬に頼る患者さんは困りますね」

特に「医者だから治せて当たり前でしょ」といった態度をとるのは、もっとも医者の神経を逆なでする行為だ。

「医療トラブルの多くは、患者側の誤解によるものが7割を占める」と語るのは、日々、病院で起こるトラブルの相談を受け、「トラブルバスター」の異名を持つ、大阪府保険医協会・事務局参与の尾内康彦氏だ。

「'90年代半ばから、国は病院に対して『これからは医療もサービス業』であると通達しました。その影響が昨今はますます強まり『患者はお客様である』と誤解している人が増えています。

なかには『カネを払っているんだから、病院は病気を治して当然だ』と病院や医師に高圧的な態度をとる患者さんもいる。そういった『患者様意識』がトラブルの原因となっているのです。当然ですが、医療に絶対はありませんから」

とはいえ卑屈になり過ぎて、医師の言いなりになるのもよくない。しっかりと医師に自分の症状を伝え、相談することは、良質な医療を受けるためにも、もちろん必要なことだ。

「『医者にこんなことを話していいのかな』と不安に思う患者さんがいますが、気を遣いすぎるのもよくありません。医者は神様ではないので、患者さんに言ってもらわないと分からない。

患者さんの何気ない一言で、検査をした結果、がんが早期に見つかったというケースも多数あります。

医者と患者のどちらが傲慢でも、絶対に治療は上手くいかない。医療というのは消費サービスではなく、医者と患者の相互関係によって作り上げていくものなんです。それを誤解してはいけません」(前出の尾内氏)

医者が病気を治すのではなく、病気を治すのはあくまで患者自身。その手助けをするのが医者の役目だ。それを勘違いしてはいけない。

 

「週刊現代」2017年5月20日号より