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規制緩和・政策

小池都知事が密かに狙う?「受動喫煙防止」は都議選の争点になるか

自民が業界寄りなのをチャンスと見て…

都議会選挙の争点に?

飲食店内での受動喫煙防止を狙う法律案を巡って、国際水準並みの禁煙規制を主張する塩崎恭久・厚生労働相と、自民党のたばこ議員連盟(会長・野田毅衆議院議員)の対立が、抜き差しならない状況に直面している。

自民党は5月8日、茂木敏充政調会長が党内の規制強化派と慎重派の間に立って妥協案を取りまとめ。屋内禁煙を原則と言いながら、小規模飲食店では「喫煙」や「分煙」の表示さえすれば喫煙を認める内容。30平方メートル以下のバーやスナックを除いて飲食店内を全面禁煙するとしていた厚労省の原案が、大幅に「骨抜き」されかねない状況になった。今後の塩崎厚労相の対応に注目が集まっている。

塩崎厚労相は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、日本だけが喫煙大国という訳にはいかない」として、国際標準である屋内全面禁煙にこだわる。英国、ブラジル、韓国といったオリンピック開催国・開催予定国はいずれも屋内全面禁煙に踏み切っている。国際オリンピック委員会やWHO(世界保健機関)も「たばこの無いオリンピック」を掲げ、日本にも対応を求めている。

こうした流れを受けて、自民党内でも受動喫煙防止議員連盟(会長・山東昭子参議院議員)や歴代厚労相経験者らが、厚労省案を指示する姿勢を見せていた。


 

一方で、たばこ議連の規制反対の動きには、たばこ生産農家や地域の小規模飲食店といった自民党の支持層が同調。たばこが依然として大きな税収源であることもあり、規制強化に抵抗する声が自民党内の主流となった。受動喫煙防止議連の主張はたばこ議連に封じ込められる結果になった。

塩崎厚労相は、日本人7割以上がたばこを吸わないことを考えれば、「サイレントマジョリティは厳しい規制を求めている」として一歩も引かない構え。最終的には首相官邸の裁定に従うことになるとみられる。

そんな首相官邸が動向を注目しているのが、オリンピック開催都市である東京都の小池百合子知事。実は、自民党が厚労省原案を「骨抜き」にするのを、手ぐすね引いて待ち構えているのではないか、という見方が浮上しているのだ。

というのも厚労省は事務次官らが小池氏のブレーンらを直接訪ね、厚労省案への支持を求めていた、という。東京都が室内全面禁煙を主張すれば、自民党のたばこ議連の主張を封じ込めることができると考えたのだろう。塩崎大臣の指示があったともされる。

ところが小池氏側からの反応は「厚労省に塩は送らない」というものだったという。その反応を聞いた同省幹部は「ポリティカリィ・コレクト(政治的には正解)だな」と漏らしていた。

小池知事からすれば、早々に厚労省を助けて自民党を敵に回す必要はない。それよりも、自民党が国際水準に背を向け、業界利益を代弁する「骨抜き案」を通してくれれば、それを7月の都議会議員選挙の争点にできる、と考えたのではないか、というわけだ。

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