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政治政策
安倍サプライズ発言から読み解く、憲法改正の「具体的な日程」
これでは民進・共産はボロボロに…

安倍シナリオが見えてきた

大型連休で大きなニュースがあまり出ないなか、安倍首相がまさかの「ぶちかまし」をした。

5月3日の憲法記念日に、改憲派の「民間憲法臨調」(櫻井よしこ代表)が都内で公開フォーラムを開いたのだが、安倍首相はここに驚愕のビデオメッセージを寄せたのだ。

その内容は、①憲法改正を2020年から施行したい、というもので、その内容は②憲法第9条に第3項を追加し、自衛隊を合憲とする、③教育の無償化を憲法に規定する、というものだった。

安倍首相は、国会では行政府の長であるので、自らは意見を言わないというスタンスをとっていたが、ここで「自民党総裁」として改憲の意向を示したのだ。

これについて、与野党ともに大騒ぎをはじめた。特に、野党の民進党と共産党は「安倍政権下での憲法改正は許さない」として、強い反発を見せている。週明けの国会から、安倍首相に対していろいろな質問が出てくるだろうが、国会では従来通りに行政府の長の立場としては意見を控えて、与野党間で議論してくれ、というにとどまるだろう。

政界が大騒ぎする原因は、ついに改憲スケジュール(施行スケジュール)が明らかにされたからだ。これは画期的である。改憲スケジュールは今後の政治日程に大いに関係する。2016年7月の参院選で、衆参ともに改憲勢力は2/3超になっているが、改憲スケジュールと衆院解散とのスケジュールがおおいに気になるのは、政治家であればやむを得まい。

 

安倍首相は、2020年から施行したいといったわけだが、発議には衆参ともに2/3が必要だ。衆院で解散総選挙しても、今の民進党の体制では、安倍政権が負けることは考えられない。だが、改憲勢力2/3を維持できるかどうかはわからない。

今の時期に安倍首相が改憲スケジュールについて発言したということは、2018年12月までの衆院の任期までに、解散総選挙より先に憲法改正の発議をする可能性が高いということだろう。

改憲スケジュールは、施行日から逆算して、国会発議、国民投票がいつになるのかがポイントだ。そこで、国会発議の可能性を考えてみたい。

実は、国会発議の後に国民投票があるが、その間は国民投票法で60~180日と定められていて、はじめの憲法改正では180日間というのが常識になっている。発議の日程は、(A)2017年秋の臨時国会、(B)2018年の通常国会、(C)2018年秋の臨時国会と、機械的に考えると3回可能性がある。

国民投票が発議から180日間とすると、国民投票と衆院総選挙が同日であったほうが、与党有利になるだろうから、2018年12月の衆院任期前に日取りを選べる(A)2017年秋の臨時国会、(B)2018年の通常国会での発議の可能性が高いだろう。

2018年12月は、衆院任期終了とともに天皇の譲位も予定されている。となると、このときに憲法改正の国民投票、衆院総選挙のダブルをぶつけてくるというのが、今の段階での第一シナリオではないだろうか。であれば、(B)2018年の通常国会後半での発議が第一候補になる。

もちろん、情勢次第では、衆院の解散総選挙をやった後に、改憲スケジュールをこなすというのもありえる。この場合には、今年中に解散総選挙(まさに改憲選挙)をして、(A)秋の臨時国会で発議という手順になるのが第二シナリオだろう。