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知らないと損する生命保険の賢い「やめどき」と「やめ方」

解約しないほうがいい「お宝保険」も
週刊現代 プロフィール

介護保険では、保険金の認定基準も保険を見極めるポイントになる。

「最近の介護保険は国の要介護認定を基準に保険金が出るタイプが多いですが、認定の基準は変わる可能性があります。一方で、保険会社独自の約款の基準で保険金が出るタイプは、受け取りが年金方式で、一時金を大きく受け取れないものがある」(前出・都倉氏)

生命保険に付く介護特約もあまり価値はない。

「60歳前後の方が以前から加入されている生命保険の介護特約では、保険料は高いのに支払いの基準がとても厳しいものがあります。たとえば自力で立ち上がったり入浴したりできない要介護3になっても、保険金は下りない。こんな特約はやめたほうがいいです」(前出・長尾氏)

介護保険に限った話ではないが、ほんとうに保険が「老後の備え」になるかどうか、疑問を呈する声は多い。生活設計塾クルーの清水香氏は語る。

「当然のことですが、保険金は自分や家族が請求しない限り支払われません。ですが、大手生保会社が過去に行った調査では、90歳以上の契約者で2割ほどが施設や病院にいたり、あるいはすでに亡くなったりしていて未請求のままだったことがありました。

老後の備えとして残すなら、家族と保障内容や加入状況を相談しておきましょう」

「払い済み」でトクする場合も

老後の不安をカバーするという触れ込みで売られる商品では、個人年金保険も近い性質がある。公的年金で不足する老後の資金を補うために加入するもので、契約時に設定した年齢から月割りで年金を受け取る仕組みだ。

満期前に解約すると元本割れがある個人年金保険のやめどきはいつか。

 

「個人年金保険は、60歳になるくらいにはほぼ払い込みが終わるように設計されています。だから一番いいやめどきは、やはり満期を迎えたら、ということになります。

ただ、子供がこれから大学に入るなど、すぐに手元にお金が必要な場合は、『払い済み』に契約を切り替えるのも選択肢のひとつです」(前出・藤井氏)

「払い済み」とは、解約することなく保険料の払い込みを停止することをいう。保障額はそのぶん減少するが、保障を残したまま主契約の返戻率は上がっていくので、元本割れのリスクが大きい終身保険などでも損をしない有効な手段だ。

ただし、契約内容によっては積立金の最低額が定められており、それに達しないと払い済みにできないものもあるので注意したい。

実は、保険会社は払い済みにすることを渋る。保険会社にとってなんのメリットもないからだ。前出・藤井氏が言う。

「販売員は巧妙に『保険の切り替えをしましょう』と言い、保険を解約させて医療保険など別の保険に新規加入させようとします。

なぜなら、そのほうが契約数や手数料を稼げるから。契約者にとっては、解約返戻金は元本割れするうえに新しい保険は条件がよくなく、得にならないので口車に乗らないほうがいいです」

'80~'90年代、貯蓄率の高さから「お宝保険」も多かった学資保険は、いまでも根強い人気がある。晩婚化に伴い、最近では40代以降も加入できる商品や、「孫のために」と加入する人も増えている。

しかし前出・畠中氏は「途中解約するケースを何例も見ている」という。

「学資保険は親と子供の両方を保障する保険なので、契約者(親)が亡くなったときは学資金を契約通り受け取れます。ですが何事もなく満期を迎えると、保険金よりも払う保険料のほうが高くなる場合もある」

満期を迎えても、払ったぶんより少ない保険金しか返ってこない、そんな商品を契約していても意味はないだろう。

高い保険料を払い続けるなら、いらない保険は躊躇せずに解約して老後のために貯蓄に回し、払い済みや保険切り替えといった方法で、必要最低限の保障を残す――。これが、60歳から、保険を見直す際のセオリーだ。

ただし、むやみに保険を乗り換えるのは得策ではない。