企業・経営
世の中には500万円で買える会社がこんなにあった!
500万円で優良企業の社長になる方法【後編】

前回は「退職を前に会社を買う」ことが、いかに実利的な選択肢であり、また一方で会社を売りたいと思っている社長がどれだけ多いか、について解説しました(前回記事はこちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51636)。

では一体、どうやって会社を買えばよいのか。実は会社を買うのは、いたって簡単なのです。今回はその手順を教えましょう。

まずは「売り情報」を探す

「会社を買う」上でまず必要になるのが、会社の売り案件情報を得ることです。今、世の中にどんな会社が売りに出ているのかがわからなければ、検討のしようがありません。当たり前のことですが、どうやって「売り案件」を探すのか、ご存じない方も多いでしょう。

かつて、会社の売買情報は、極秘情報でした。会社を“売りたい”社長は、社員や取引先などに気づかれないよう、自分で売り先を見つけるか、銀行や証券会社にこっそり相談し、買ってくれそうな会社を探してもらって、極秘裏にM&Aの交渉が行われました。

なぜなら、「社長が会社を売ろうとしている」という情報が漏れ、不安に思った社員に詰め寄られたり、取引先に引き上げられたりすることを恐れたからです。

さらにはオーナー社長が会社を売ることは、“身売り”と言われ、とてもネガティブなイメージがあったのです。ですから、よほどの資産家でもない限り、個人が会社の「売り」情報を得ることはできなかったはずです。

しかし時代は変わり、20年ぐらい前から、中小企業を専門にしたM&A仲介会社(両社の間に入って売買契約を仲介することでアドバイス料や仲介手数料を得る)が現れました。M&Aにネガティブなイメージを持つ人も少なくなった結果、売り物件の情報は、簡単に仕入れることができるようになりました。今では売り案件情報をインターネットで見ることができます。

ためしに、インターネットで「M&A 案件」で検索してみてください。M&A仲介会社等のサイトが表示されます。各社のサイトに行くと、まるで不動産情報サイトのように、売り案件の一覧が載っています。

 

おそらく、多くの方が知らないと思いますが、実は、会社経営者の間で、この「ネットを通じた会社売買」は盛んにおこなわれていて、そこには個人も参加可能なのです。

たとえば、先日株式上場したM&Aの仲介会社「ストライク」が運営する「SMART」というサイトには、以下のような企業の一覧が載っています

・ コンセプト系飲食店の運営/直近売上高5~10億円/関東
・ タクシー事業/直近売上高1~5億円/関西
・ 腕時計の製造販売/直近売上高15~億円/関西
・ 介護事業/直近売上高2億円/関東

・ 歯科クリニック/直近売上高1~5億円/関西3店舗
・ 海外での自動車卸売・代理店業/直近売上高5~10億円/ロシア極東
・ 建設業・太陽光事業/直近売上高1~5億円/東海

・ ソフトウェア受託開発事業/直近売上高1億円以下/中部エリア
・ 水産加工業、水産食品販売業/直近売上高約6億円/北海道
・ 鋳造/直近売上高10億円/西日本

多種多様な業種業態の会社が売りに出ています。見ているだけで面白いです。

ここから詳細ページに進むと、売上高、営業利益、従業員数、譲渡スキーム、譲渡理由、会社の強みなどが書かれています。インターネット上では会社名は伏せられており、簡単に特定できないように情報に幅を持たせてありますが、十分、検討材料になります。

興味を持った会社があれば、サイトに個人情報を入力して会員登録しすれば、より詳しい情報を教えてもらえる仕組みになっています。また、ネット上に情報が掲載されておらず、登録して初めて情報が見られる会社もあります。

さらに興味を持ち、購入を検討したいとなれば、M&A仲介会社と契約を結んで社名を教えてもらい、相手社長との面談、デューデリジェンス(企業の価値評価)、M&Aの交渉に入るといった流れになります。

【PHOTO】iStock

また、各都道府県も事業承継に力を入れています。公的支援として各都道府県に「事業引継ぎセンター」が設置されており、全国の商工会議所等と連携して、地場企業のM&Aの相談とマッチング、サポートを行っています。お住まいの都道府県名と、「事業引継ぎ」で検索してみてください。事業引継ぎセンターのサイトが出て来るはずです。

前出のM&A仲介会社が扱う会社は売上高数億円~100億円程度の会社がほとんどで、購入するには億単位の資金が必要なものが多いですが、事業引継ぎセンターには、夫婦とアルバイトで回しているような売上高数千万円程度の会社も含まれていて、数百万円もあれば買える会社もたくさんあるのです。