スマートエネルギー情報局
2017年05月09日(火) 加谷 珪一

原油価格と経済の関係、本当に把握していますか

価格が下がれば、日本は得する?損する?

組み合わせることが大事

この条件にあてはまらない唯一の先進国が米国である。

米国は世界最大の石油消費国であると同時に石油産出国でもある。先ほど原油価格が下落すると、巨額のマネーが産油国から消費国にシフトすると述べたが、一連の価格下落は国家収入の多くを原油に依存するロシアなど産油国に大きな打撃を与える結果になった。

米国は原油価格の下落によって、消費国としてのメリットと産出国としてのデメリットを同時に受ける。米国における石油の消費量は産出量を上回っているので、今のところ消費国としての側面が強い。

しかし天然ガスなどを含めた資源全体で見ると、米国はエネルギーのほぼすべてを自給できる状況にあり、資源国としてのニュアンスが強くなる。原油価格の下落が著しい場合には、石油産業を中心にマイナスの影響が大きくなってくるかもしれない。

Photo by GettyImages

総合的に考えると、石油の消費国である日本にとって原油価格の下落はメリットが多い。だが市場価格が不安定化することの影響や、産油国としてのニュアンスが強い米国の動向にも注意を払っておく必要がある。

日本の製造業は基本的に北米市場に大きく依存しているので、最終的には米国の景気が日本の景気を左右することを忘れてはならない。

原油価格の下落を安定的な成長につなげていくには、市場価格の変動に左右されない仕組みを構築することが重要である。具体的にはエネルギー調達手法の多様化ということになるだろう。

石油や天然ガス、そして石炭など複数のエネルギー源を上手に組み合わせ、バランスの取れたエネルギー戦略を目指すことが最終的には大きな利益につながってくる。

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