photo by iStock
メディア・マスコミ エンタメ ライフ
なぜ女子はブルゾンちえみの「キャリアウーマン」ネタに共感するのか
サブカル批判の雄はこう分析する

アメリカ産吹き替えドラマ独自のグルーブ感

2017年初頭から爆発的な勢いでブレイクしたお笑い芸人のブルゾンちえみさん。独特のメイクのインパクトも強く、一度見たら忘れない風貌の持ち主です。

最近ではバラエティだけではなくフジテレビのドラマ『人は見た目が100パーセント』にメインキャスト3人のうちの1人として出演されています。年末の特番の出演で話題になってから、ほんの数ヵ月の間にドラマにメインキャストとして出演するというのは、本当に凄い躍進ぶりですね。

そんなブルゾンちえみさんがブレイクするきっかけになった「キャリアウーマン」ネタはどのような構造のものなのか少し考えてみたいと思います。

photo by iStosk

テレビ朝日のトーク番組『アメトーーク!』の「企画プレゼン大会」に出演した際に彼女がプレゼンしていた企画が「アメリカにかぶれている芸人」。この時にアメリカ産のTVドラマや映画、アメリカ文化に対する偏愛を語っていたのですが、これがそのまんま「キャリアウーマン」ネタの根幹の1つになっていると思われます。

アメリカ産のドラマを日本の文化圏に生まれた人間が見る場合、登場人物のボディランゲージが過剰に感じてしまうため違和感をおぼえます。

当然ながら、たいていの人は英語が堪能なわけではないので吹き替えされたものを見るわけですが、吹き替えアメリカ・ドラマに見られる、アメリカンジョーク混じりの独特な台詞や大仰な台詞回しは、我々が日常的に接する国産のドラマとはかけ離れたものであり、そこにも多大な違和感があります。

その過剰さ、違和感に思わず笑ってしまう人というのはけっこういるわけで、古くは友近さんとなだぎ武さんによる人気アメリカ・ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』の登場人物をベースにした「ディラン&キャサリン」も、こういうところに立脚していたわけです。吹き替えTVドラマの中でも、アメリカ産のものはアメリカン・ジョークがふんだんに普通の会話に盛り込まれている場合が多いです。

国情、文化の違いから、一般的な日本の文化圏のユーモアセンスからは理解し難いアメリカン・ジョーク。それを何とか日本でも通じるように無理やり意訳して、それを独特の大仰な台詞 で演じることで強引に「面白いジョークですよ!」とアピールするわけですが、そのジョーク自体が面白いと感じるよりも、そこで発生する独特のグルーヴが笑いを誘うという構造が生まれるわけで、ブルゾンちえみさんのネタもそこにインスパイアされた部分が大きいと思われます。

 

ドラマだけではありません。服装的な部分も、欧米の女性のInstagramが参考にされていて、わりとアジア人体型の彼女が着るとちょっとした違和感があり、その不自然さも笑いの要素の1つです。

また、彼女と共に登場してくる男性2人組withB(彼女の後輩にあたるブリリアンというお笑いコンビ)。彼らのイケメンのようなイケメンでないような、アメリカンなようで微妙にアメリカンぽくないような違和感も重要なポイントだと思われます。我々がアメリカ文化に感じる違和感、その違和感をネタとして演じる演者から感じる違和感、その2つの違和感が笑いに大きく関わっているような気がします。