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アメリカ 北朝鮮
トランプ・習近平が交わした「対北朝鮮密約」その中身
体制転覆は行わない。その代わりに…

ビッグ・ディール

筆者が得たワシントンの信頼すべき情報によると、4月6~7日に行われた米中首脳会談で、習近平国家主席はドナルド・トランプ大統領に対して要請2点を申し入れ、基本応諾を得ていたというのだ。

第1点は、「1つの中国政策」堅持。そして2点目が、軍事作戦による北朝鮮の金正恩体制転覆を行わないということである。

特にテレビ報道を通じた映像などから米朝一触即発情勢は今、沸点に達しているかに見える。米第3艦隊の原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群が27日までに沖縄東方に展開、今週末には対馬海峡を経て日本海まで北上する。

また、巡航ミサイル「トマホーク」搭載の原子力潜水艦ミシガンを既に韓国・釜山に緊急配備している。

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さらにグアムからは戦略爆撃機B-1Bを朝鮮半島上空に緊急展開、沖縄の嘉手納空軍基地や岩国空軍基地からもステルス偵察機コブラホールや戦闘爆撃機F35を飛来させるなどの示威行動を行っている。

そして26日(米西部時間)にはカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地で大陸間弾道ミサイルICBM「ミニットマン3」発射実験を行った上に、ハリス太平洋軍司令官(海軍大将)は同日の米下院公聴会で「命令が下れば、(カール・ビンソン艦載機F18は)2時間で北朝鮮を攻撃できる範囲内にいる」と証言するなど、トランプ政権は対北朝鮮軍事圧力を強めている。

 

一方の北朝鮮は、15日の故金日成国家主席生誕105周年記念式典に行った軍事パレードで、移動式ICBM「KN-08」など新型ミサイルを初登場させるなど、7タイプの長距離・中距離弾道ミサイルの実戦配備を誇示した。

さらに朝鮮人民軍創建85周年の25日には、金正恩委員長の視察下、日本海側の南東部の元山で過去最大規模の砲撃訓練を行った。

動員された長距離砲は200ミリ、300ミリ砲300~400門で、南北軍事境界線沿いに配備されている500門とは別である。前者は韓国の首都ソウルを射程に収め、後者は米軍基地がある京畿道平沢に届く。まさに「ソウルを火の海」にできる長距離砲、1時間で6000~7000発を打ち込める多連装ロケット砲だ。

他方、トランプ政権は26日(米東部時間)、ティラーソン国務長官、マティス国防長官、コーツ国家情報長官の3人連名の共同声明を発表、その中で「北朝鮮の核兵器開発は差し迫った米国の安全保障上の脅威」としながらも「経済制裁の強化や外交手段を通じて圧力をかけ、核放棄を迫る」としているのだ。