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「米朝開戦」そのとき日本で起きること【インサイドレポート】
ゴキゲンな安倍総理vs戸惑う外務省

ついに始まった、金正恩とトランプの直接対決。本気と脅し、真実とフェイクが錯綜する中で、日本の政府中枢では一向に具体策が決まらない。うかうかしていると、取り返しのつかないことになる。

安倍総理はゴキゲン

「北朝鮮情勢が緊迫してきてから、安倍さんはすっかり元気になって、『ツキがまわってきた』と側近たちに話しています。『安保法制も、集団的自衛権も、やっておいてよかっただろ。シナリオ通りだよ』とも」(官邸スタッフ)

世界はいま、固唾をのんで極東を見守っている。

一糸乱れぬ兵士たちの行進、大量のミサイル、列をなして進む戦車……金正恩・朝鮮労働党委員長が、満足げな笑みを浮かべて見下ろす一大軍事パレード。中には、これまで確認されていなかった、トレーラーに載った巨大な大陸間弾道ミサイル(ICBM)とおぼしき兵器も見えた。

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しかし、安倍総理はゴキゲンだ。

「なんといっても、内閣支持率が急回復しています。森友学園のスキャンダルで下がり始めたときはどうなるかと思いましたが、やっぱり『外患』の効果はすごい。『神風』ならぬ『北風』がまた吹いた、と官邸ではもっぱら言われています」(前出・官邸スタッフ)

2月中旬、3月上旬と、北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返してきた。前者は稲田朋美防衛相がしどろもどろな答弁をして国会で野党の集中砲火を浴び、後者は森友スキャンダルと「昭恵夫人問題」に火がつき始めた頃である。

そして、共謀罪法案の審議で国会が紛糾している今回――安倍総理は今まさに、山積みのはずの難題をすべて「北風」で吹き飛ばす、千載一遇のチャンスを手にしたのだ。

ある総理側近も言う。

 

「つくづく運の強い人ですよ、安倍総理は。

(4月)18日の昼、ペンス米副大統領と安倍総理が会食しました。その直後、安倍総理、麻生副総理、ペンス氏の3人が『立ち話』した際に、ペンス氏はこう伝えたそうです。

『空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海に向かわせると発表したが、現段階でまだ、インドネシア付近にいる。北朝鮮だけでなく、中国を牽制するためだ。もちろん、北に不穏な動きがあれば、すぐさま朝鮮半島に向かう』

つまり、世界中を震撼させた『カール・ビンソン、北朝鮮へ』の報道は陽動作戦だったということ。この情報を得ていたから、その夜も総理は余裕で会食に出かけ、近年珍しいほど真っ赤になるまで飲んで帰ったのです」

安倍総理は、ペンス副大統領との面会の後、官邸と外務省のトップメンバーを集めて指示を出し始めた。

かねて厚い信頼をおく谷内正太郎・国家安全保障局長のほか、杉山晋輔外務事務次官、秋葉剛男外務審議官、森健良外務省北米局長らである。

中でも秋葉氏は、安倍総理がいま最も信頼する外務官僚で、次期次官就任が確実視されている。現時点でも「外務省は事実上の秋葉体制」と言われているほどだ。