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「大人の発達障害」と合法ドラッグカルチャーの切っても切れない関係

されど愛しきお妻様【7】

ルポライターの鈴木大介さんと、「大人の発達障害」さんのお妻様の、笑いあり涙ありの18年間を振り返る本連載。今回は「長い春」の末に結婚した2人の新婚生活と、記者活動に脂が乗ってきた鈴木さんが取材で見聞した、2000年代中盤の「合法ドラッグカルチャー」について。お妻様、今週もその勢いは止まりません!

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給料1ヵ月分の指輪と、同人誌40冊分の結婚式場

同棲開始から5年を目前にした03年9月、僕と彼女様は結婚し、彼女様はお妻様になった。

とはいえ結婚に踏み切った理由は、彼女様側は「母親がうるさいから」で、僕側は「親と対峙せよと言いながら親が彼女様の税金を払っているのは理不尽だから」というめちゃめちゃ消極的な理由だ。

婚約指輪と結婚指輪にしたところで、宝飾品のデート商法をやっている不良な女友達と一緒に御徒町の宝飾問屋街をめぐり、サラリーマンの給料3ヵ月分程度の品を問屋価格で給料1ヵ月分ぐらいで買い求めた。

そんな指輪だけど、渡す時ぐらいはロマンチックにいきたい。選んだ場所は、彼女様が子ども時代から家族で通っていた六本木のイタ飯屋。いざサプライズ! ちょっと目をつぶっていてもらえますか? 開けていいですよ。

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「なにこれ?」

「ぼぼぼぼくとけけけけっこんしてください」

「えーと。この指輪、質屋に持っていったらいくらになんの?」

わー、そう来ましたかこのやろー。こうなるともうロマンも屁ったくれもない。

結婚式に金をかけるぐらいなら「『ゼクシィ』と同じ厚みのエロ同人誌に金をかけたい」という彼女様だから、式場は都内最安値のエロ同人誌40冊程度(基本料金4万円)という冗談みたいな場所を発掘し、両家両親に彼女様サイドのばあちゃん2人と僕サイドの姉家族を加えた合計9人という極めてシンプルなお式を挙げた。

レンタルドレスの試着時に撮った記念写真には、純白ドレス姿のお妻様が、舌のど真ん中にピアスを光らせて中指を立てている。

 

なお、手続きごとがめっぽう嫌いな彼女様は式場の予約にも家族への連絡も一切任せっきりだったし、いざ挙式が終わってみれば僕は、

「入籍の書類を市役所に出しに行くのが糞面倒くせえし、挙式までの手続きは全部俺がやったんだから入籍ぐらいはお妻様でやってほしい」

対するお妻様は

「そんなに入籍したいなら市役所の人が婚姻届を取りに来ればいいと思うの」(無理)

という理由で、結局2人で市役所の夜間受付に婚姻届けを投げ込みに行ったのは、翌年の2月末なのであった。おかげで我が家の結婚記念日は2回ある。

また、お妻様になった彼女様は、結婚とほぼ同時に「俺はドール服のお針子さんになる」(人形の服作りをして稼ぐ)と宣言して、頑張っていたバイトを退職。物であふれかえるアパートのダイニングには新たにミシン机と裁断机と資料本の棚やらが増設され、一層床の見えない部屋になった。

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