現教皇フランシスコ〔PHOTO〕gettyimages
宗教 ヨーロッパ
日本人が実感しづらい「ローマ教皇」絶大なる影響力と苦悩
複雑化する社会の中で…

絶大な影響力をもつローマ教皇

ローマ教皇をとり上げた2つの映像作品が続けて公開される。4月にはWOWOWで『ピウス13世 美しき異端児』が放映された。そして、間もなく現教皇フランシスコを描いた映画『ローマ法王になる日まで』(6月3日公開)が公開される。

ローマ教皇は世界最大の宗教団体「ローマ・カトリック」のトップであり、バチカン市国の国家元首でもある。教皇はコンクラーヴェと呼ばれる選挙――枢機卿というカトリック教会の最高幹部たちの互選――によって選ばれる。

コンクラーヴェで壮絶な駆け引きが行われることは想像に難くない。

かつては新教皇が選出されるまで、投票会場となるシスティーナ礼拝堂には外から鍵がかけられたこと、そのため、投票によって新教皇が選出されなかった場合は礼拝堂の煙突から黒い煙をあげ、選出された場合は白い煙をあげることなどは知られているかもしれない。

現在のフランシスコは2013年3月から第266代教皇を務めている。

ローマ教皇初代教皇とされるペテロの像。像の右足を触ると健康になるとされる(筆者撮影)

カトリック信徒は世界中で10億人を超えると言われる。教皇は世界最大の宗教団体の首長であり、その権力と影響力は絶大だ。

もちろん、10億を超える信者すべてがその言葉に完璧に服するわけではないだろうが、教皇の一挙手一投足に注目し、ちょっとした振る舞いが大きなインパクトを与えることは言うまでもない。

 

アルゼンチン出身のフランシスコ教皇はサッカー好きとして知られる。特に母国の名門チーム「サン・ロレンソ」のファンだというが、教皇に就任してからもファンクラブの会費を引き落としで支払っていることがニュースになるほどだ。

このようなニュースは微笑ましいものだが、他方で、教皇が政治的・倫理的な言動をした場合には、諸方面に波紋が広がる。

たとえば、カトリックは宗教倫理の観点から人工妊娠中絶を否定する。カトリックの立場としては、そもそも生殖目的以外の性行為は罪であり、したがって中絶も避妊具使用も認められない。

こうしたカトリックの伝統的価値観の保持には批判もあるが、教皇と教会は立場を変えていないのである。