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韓国新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)に相次ぐスキャンダル
怪しい息子の不正採用疑惑
崔 碩栄 プロフィール

相次ぐ不祥事と疑惑

文候補の支持率は依然としてトップを走っているものの最近の彼からは焦りの色がにじみ出ている。それは相次いで不祥事が明るみに出ているからである。彼の支持率に陰りが見え始めるきっかけとなったのは息子の不正採用疑惑だ。

文候補の息子は2006年に準政府機関である韓国雇用情報院に採用され就職したのだが、この採用に不正があったのではないかという疑惑である。2006年といえば文候補が盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の青瓦台民政主席秘書官という国家権力の中枢にいた時期である。

 

今、疑惑として取り沙汰されている内容を見ていくと、確かに怪しいと思わせる素材が揃っている。

募集をする時点で、一般的に準政府機関の募集規則として規定されている期間より短く、また公示するサイトも通常使われているサイトとは異なるサイトでの募集であった。

そして、文候補の息子の提出した応募書類を見ても、発行日付が書類提出の締切後になっている卒業証明書、締切日の2週後に発表された大会の受賞歴が履歴書が記されている履歴書など、通常の就職活動における常識からは逸脱した内容のオンパレードである。

さらに、雇用情報院院長が過去、民政首席室で文氏の部下として勤務していた人物であるということも国民が疑念を抱く理由の一つだ。

文候補の陣営では、これらの疑惑は全て嘘っぱちだと全面否認しているが、国民からの視線は冷たい。韓国には公務員としての、あるいは公企業への就職を希望して何年も就職浪人生活を送っている青年が何十万といる。彼らの目に、これまで特権階級を批判し、弱者の味方であると主張し続けていた候補の息子が手にした「幸運」がどう映っているのか。

文在寅文在寅 photo by gettyimages

また、彼自身に直接関わる疑惑として、2007年11月の国連北朝鮮人権決議案に対する韓国の意志を決定する際に、当時大統領秘書室長だった文氏が『ひとまず北に確認してみよう』と北の意見を確認し、その結果「棄権」という結論を出したという話が暴露され、大きな打撃となっている。

これは元外務長官による証言で、文候補側はそれを否定し彼を訴えたが、元外務長官が北の「圧力」について明記されている当時の青瓦台内部文書まで公開したことで、文候補に対する疑惑の声はされに広がってしまった。

他にも文候補を支持する大学教授が研究費を流用し選挙戦に大学生たちを不法動員したことが明らかになり選挙管理委員会から告発されたり、文候補の広報車両が死亡事故を起こした際に相手側の運転手が倒れている状況で何の処置もしなかったと報道されるなど文候補の支持率と無関係ではいられないようなニュースが相次いでいる。