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ネット大国中国で「チャイナドリーム」を追う人々〜ECは切り札か?
これが農村・農民を救うかもしれない

成長方式の転換と農村経済振興

今年の全国人民代表大会(国会に相当)での政府活動報告では、中国経済の成長方式の転換と安定成長実現のために、多岐にわたる諸課題が提示された。そのなかに含まれる農村振興・貧困解決は長年の懸案でもある。

李克強総理は政府活動報告のなかで、「内需の潜在力を一段と引き出す。供給の構造と需要の構造が相互に適応しあい、消費の高度化と有効な投資が相互に促進しあい、地域間・都市農村間の発展が相互に調和しあうよう促し、経済成長に対する内需の持続的な牽引作用を増強する」ことを提起したうえで、「コミュニティや農村への電子商取引と宅配便の普及を促し、実店舗での販売とインターネット販売との融合発展を後押しする」と述べている。

2015年には、すでに農村の電子商取引の発展促進に関する指導意見が政府から出されており、農村の発展促進と近年打ち出されている情報通信技術の利用とが、今、農村のネット販売振興という形で結びついている。

ただ、昨年あたりまでは手放しでプラスの面が報道されることが多かったのに対し、最近は課題もまた指摘されるようになっている。

 

ネットの凄まじい普及速度

中国におけるこの10年余りの、ネット普及は凄まじいものがある。2005年には1割にも満たなかった普及率は今や5割を超え、都市部に限れば7割に達する。

しかも多くのユーザーはスマホでネットを使う。アリババやテンセントといった民間大手ネット企業の提供する各種アプリ、プラットフォームにより、現金を直接使わない決済や店舗に足を運ばない買い物が増えている。

また、中国の大都市では若い人たちはスマホアプリでタクシーを呼び、支払いまでもスマホで完結するのが普通になっている。

アリババやテンセントが提供する決済システム(アリペイ、ウィーチャットペイ)は、アップルペイと異なり、スマホのメーカーに関わりなく利用できるのが、普及のポイントになっている。

PCやスマホを使うネット販売の金額は小売消費額の伸びを大きく上回る勢いで伸び、この5年で10倍に拡大。昨年は小売消費額の12.6%をネット販売が占めたと言われる。