Photo by iStock
交通
車道を走る自転車が邪魔だ!イラつくドライバー、不安なサイクリスト
専用レーンより先に必要なもの

自転車用レーンの現実

この半年、都内では一気に自転車用レーンが増えた。

車道の左端にペイントされているので、歩行者の方はほとんど気が付かないかもしれないが、サイクリストはもちろん、ドライバーの方はお気付きになっただろう。

なんでも、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けての施策ということだが、その効果、反響はどうなのだろうか。

まず、私見としては素晴らしい進歩だと思う。街中での自転車の立場が明確になった画期的な出来事だ。これを推し進めてくれた方々には大変感謝を申し上げたいし、街中モビリティとしての大きな一歩である。

しかし、現実はなかなか厳しく、ドライバーや一部サイクリストからは不満の声も聞こえてきている。

本来、自転車は車両のため、歩道ではなく車道を走るのが基本であったが、今回の件でそれが明確になった。すると従来は歩道を走っていた一般の自転車、つまりママチャリが車道に出てくることになる。

速度差も大きく、登りもまっすぐに登れなかったりするのでドライバーとしては近寄りたくない存在だ。

さらに、右左折時に何の確認もなく動くものだから車からすれば“邪魔者”が増えたという印象になってしまう。スマホを使用して“ながら運転”や、イヤホン装着での走行など、恐ろしいことを平然としている人も少なくない。

挙句の果てに逆走する者もいて、これでドライバーから非難を浴びない、いや事故が起こらないほうが不思議だと思ってしまう。

また、サイクリストからしても、指定されたゾーンを走っていても駐車車両が止まっていれば車線中心部に入らざるを得ないし、慣れない車道に出たら車から幅寄せされるなど嫌がらせを受けることもある。

「今までのほうが良かった」などというネガティブな声もちらほら……。なかなか前途多難なスタートである。

 

トライアスロン発祥の地に根付く共通理解

僕が先日レースで行った南カリフォルニア、サンディエゴ周辺は気候的に恵まれていることもあり、自転車やランニングが大変盛んだ。そんな背景からトライアスロンの発祥の地でもある。

ここでは自転車のレーンはしっかりと確保され、自転車で走ることに全くのストレスがない。ハイウェイ以外ではむしろ自転車の方が優先されているので、どんな時間帯であろうと気持ちよく乗ることができる。

場所によっては自転車道のマークが車線の右端ではなく、中心寄りに出ていたりするから恐れ入る。ここでの中心は車ではないというのを明確に示しているようだ。

サンディエゴ周辺の街の道路。自転車マークが中央にあるサンディエゴ周辺の街の道路。自転車マークが中央にある

車を運転する人たちがそれを理解しているだけでなく、サイクリストもそれに応えるように右左折時の確認やサイン、危険箇所での減速などマナーがしっかりとしている。

車を運転するように自転車に乗る。当然、イヤホンや逆走など見たことはない。物理的な施策、ドライバーの意識、そしてサイクリストの意識の高さが印象的だった。