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"地雷"も簡単に避けられる!「イデコ」を正しく使って得しよう
節税メリットだけじゃない
山崎 元 プロフィール

「地雷」を避けるには

さて、一番肝心なのは、運用商品の選択だ。

確定拠出年金の加入者としては、ここで間違えると、無駄な損をすることになる。逆に、運営管理機関や運用会社の側としては、ここで加入者に程良く間違えて貰わないと、なかなか収益が上がらない。

運用商品の選択肢が多いということは、選択肢の数と質に見合う投資教育ができるのか否かを考えると、本来好ましいことではない(例えば、「アクティブ・ファンド」の有効な評価方法を投資教育で教えるのは不可能だ。なぜなら、それは、プロにも出来ないのだから…)。

本来、元本確保型の商品も含めて、10本もあれば多過ぎるくらいのものだと、筆者は考えている。

しかし、現実には、30本を超えるような商品ラインナップが少なくない。そうである理由は、端的に言って、金融機関の側で、手数料収益の高い商品を加入者に選んで欲しいと思うからだ。

しかし、仮に、30本の商品ラインナップがあるとすれば、その中の25本程度は、本来確定拠出年金に向かないし、かつ手数料が無駄に高い、筆者が「地雷」と呼んでいる運用商品だ。

実は、地雷の避け方は、簡単だ。現時点では、年間の「運用管理手数料率」が0.3%を超えるものを除外すると、地雷の9割方を除去することができる。

その結果残るのは、「国内株式」のインデックス・ファンド(株価指数に連動する運用の投資信託)が1、2本、「海外株式(先進国株式)」のインデックスファンドがたぶん1本、そして、定期預金などの「元本確保型」の商品が1、2本だろう。

 

これらの中から何を選ぶか。

厳密には、イデコの運用は、イデコ以外の資産運用(NISA(少額投資非課税制度)口座や、証券会社・銀行などの課税口座での運用)も含めた、「個人の資産全体」を最適化して、その中でイデコ部分に最適なものを割り当てなければならない。

しかし、ほとんどのケースでは、イデコに「海外株式(先進国株式)」のインデックス・ファンドを集中させて、残りの口座で適当な運用を考えると辻褄が合う。

特に、イデコを始めたばかりの方は、運用資産残高がまだ大きくは積み上がっていないので、イデコ全体を「海外株式(先進国株式)」のインデックス・ファンドで運用していても、それほど大きなリスクにならないはずだ。

生活設計の計算を行うと、イデコ以外にもお金を貯めて運用しなければならない計算になる方が大半だ。こうした方々の運用にとっては、海外株式のインデックス・ファンドは適切かつ必要な運用選択肢であることが多い。

イデコには、「運用期間中の利益が非課税で効率的に複利運用ができる」というメリットがある。従って、自分の運用資産の中で期待するリターンが高い部分(当然、リスクも大きくなるが)をイデコに集中することが、個人の運用としては最適になる。

イデコの中だけで「ほどほどのバランス」を目指して、内外の株式と債券にあれこれ分散投資するような運用は、個人にとって最適にならない。

株式と債券と両方に投資する「バランス・ファンド」や「ターゲット・イヤー型」(年月の経過で資産配分を変えるバランス・ファンドだ)は、一見イデコに向いているように見えるが「地雷」である。

読者におかれては、「地雷」を避けて、イデコを有効活用して貰いたい。