Photo by iStock
医療・健康・食 がん
がん治療の代替療法を「インチキ!」と全否定する皆様へ
働き盛りのがん闘病記(10)
〔前回までの話〕2015年11月、働き盛りの私の身に、思いもよらぬがん宣告が下された。ステージⅣAの末期がん、余命は1年。標準治療ではなく代替療法を選び、前々回、その試行錯誤を語り始めた私のもとに突然、読者からの批判的なメッセージが届くようになった。いったいどうして?(*連載第1回はこちら http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47524

批判は大歓迎

前回まで、ゲルソン療法を始めとする各種食事療法に必須の人参ジュースの代替品として、ノニジュースの可能性について考えてみた。

このノニジュースには、さらに驚くべき機能があるので、今回はそれについてもう少し述べようと思ったのだが、その予定は次回に譲りたいと思う。

今回は急遽、読者からのご意見をいくつか取り上げ、私なりの考え方を述べさせて頂こうと思う。こういう臨機応変な対応ができるのが、Webメディアでの連載の良いところだろう。

さて、興味深いことに、前々回(第8回 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51337)にノニが登場して以来、読者から送られてくるメッセージに批判的な内容が急に増えた。

「ノニって、マルチ商法で扱われることもある商材ですよね。良識を疑います!」

「怪しげな健康食品のステマかよ。いい加減にしろ!」

「QOLを重視するなら、標準治療を受けながら、ちゃんと緩和ケアすれば良いのでは?」

「代替療法なんて、医学的エビデンスがない時点でインチキです。効いたか効かなかったかすらろくに検証できない。よくそんなインチキに命を預ける気になるな」

「代替療法に根拠や実績があるのなら、すでに標準治療になっているはずでしょう。そうでないということは、根拠がないということなのです」

などなど。

第8回はまだ一般的なノニの話だったのに、この批判の山である。この稿を書いている時点ではまだ第9回は掲載されていないが、モリンダ社のノニジュースについて書いた第9回が掲載されたら、さぞかし非難の大合唱が起こることであろう。今からワクワクである。(→第9回はこちら http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51428

もちろん、応援の声もたくさん頂いている。筆者としては、応援や賛同の声も大変有り難いが、批判や非難の意見もまた楽しいものである。

賛否両論は物書き冥利に尽きるというもの。毒にも薬にもならないエッセイよりは100倍も良い。

批判の声もまた山の賑わい……あっ、それじゃ批判している人に失礼か(笑)。

批判と喧嘩は江戸の華、なのである。

標準治療派と代替療法派の対立の根は深い

それにしても、読者の様々な感想を目の当たりにしてみると、改めて、早乙女派と山田派の対立の根が深いことが分かる。(早乙女と山田って誰? という人がまだいたら、第4回から読み直しを命じる http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48558

面白いのは、どちらも相手方を非難するのに熱心な余り、論理の飛躍が大きすぎるケースが散見される点である。

 

標準治療派は、代替療法を非難するのに「インチキ」「まやかし」「ステマ」「怪しい」といった言葉を使いたがる。

一方で代替療法派は、標準治療について「非人間的」「不自然」「医学に殺される」などと言いがちだ。

私は基本的に、極論には常に危うさがつきまとっていると考えている。

小さい頃、母親から「整理整頓ができるようにならないと、ろくな大人にならないわよ」と叱られる度に、「様々な要素が絡み合って人間形成がなされるのに、整理整頓という一点のみで将来の姿を予見するのは極論すぎるだろう」と考えたものだ。

よくよく考えてみると、結局は母親が正しかったことは事実が証明しているわけだが、それはそれ、これはこれである。