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学校・教育

「数学コトバ」を使えば、アタマがどんどん勝手に論理的に考え出す!

話が巧い人たちは、これを実践していた

「ビジネス数学」の第一人者・深沢真太郎さんが教える、アタマがどんどん勝手に論理的に考えだす方法。そこに、数字や計算は一切出てきません。使うのは「数学コトバ」となる接続詞。これを使えばわかりやすくしようとしなくても説明がうまくなり、相手を説得できます。話題の書『数学的に考える力をつける本』より、その一部を特別公開。

あなたも日々知らずに数学的思考をしている

大人になったいまからでも数学を学べる方法はあります。

・大人向けの数学教室に通う
・「数学の学び直し」をテーマにした書籍を購入し、自主学習する

誰でも思い浮かぶ方法ですが、いずれの方法も推奨します。ただし、単に問題を解いて◯×だけの学習はNGです。となると、どう勉強してよいか戸惑うかもしれません。

そこで、私からひとつ提案です。

勉強する必要はない。そのかわり、日常生活で使うコトバを変えなさい。

これが、いまからでも数学的な人物に変身できる方法です。教科書も参考書もいりません。もちろん数学教師もいりません。「おいおい、ふざけているのか?」とお叱りを受けそうですが、もう少し話を聞いてください。

五角形の面積を出すときにつかうコトバを思い出してください。

三角形の面積は「底辺×高さ÷2」で求められる
↓ しかも
どんな五角形も、3つの三角形に分けることができる
↓ ゆえに
それら3つの面積を合計することで、五角形の面積を求めることができる

私は「これが数学である」とお伝えしています。

ということは、これと同じことを日々の生活の中で行えば、あなたは数学を使っているということになるのではないでしょうか。

もちろん日常生活で五角形の面積を求めるということではなく、構造化して矛盾やムダのない論述をし、誰もが100%納得できるように説明する(伝える)ことです。

子どもは納得してカレーの材料を買ってくる

たとえばあなたに子どもがいて、その子どもにカレーの材料を買ってくるように伝えるとします。「カレーに必要な材料、適当に買ってきて」と言っても、もちろんよいわけですが、子どもは何を買えばよいか困ってしまうかもしれません。「適当に」と言いたくなるのをグッと我慢し、少し考えてから伝えてください。たとえばこんな感じです。

必要なのは全部で、牛肉・ジャガイモ・ニンジン・タマネギ・ルー
↓ しかも
冷蔵庫の中にはジャガイモ・ニンジン・タマネギが十分ある
↓ ゆえに
必要なのは牛肉・ルーだけ

子どもは納得し、安心して買い物ができるでしょう。すでに冷蔵庫にあるものを買ってくるというムダも生じません。先ほどの五角形の論述の応用です。当たり前の言い換えだと言われればそれまでですが、これも立派な数学の活用ではないでしょうか。

要するに「普段からちゃんと考えて伝えましょう」という事例ですが、「ちゃんと考えて伝える」ことは論理コトバ(後で数学コトバと定義=編集部注)を使えば簡単にできるようになるのです。

 

もうひとつ例をあげましょう。

あなたがビジネスパーソンで、昨日の売上高が450万円でそれは前日比96%だったというデータを知ったとします。もし「なぜなら」という数学コトバを自分に問いかけたら、きっと原因の特定と改善策を考える方向に思考が進むでしょう。

昨日の売上高450万円(前日比96%)
↓ なぜなら
悪天候のため、来客数はおよそ10%減だった
↓ ゆえに
明日以降の晴天の日は販売強化日とする必要がある

しかし、もし同じ局面で「一方で」という論理コトバを自分に問いかけたら、何かとの比較という方向に思考が進むでしょう。

昨日の売上高450万円(前日比96%)
↓ 一方で
競合他社の数字は400万円(前日比90%)との情報あり
↓ ゆえに
450万円という数字は決して悲観するものではない

このように、論理コトバを使うことで思考の方向性が定まります。論理コトバは思考を促してくれるのです。いままでは使わなかった論理コトバを、最初は無理やりでもいいので使ってみる。これが、私が提案する「数学の学び直し」です。