国債金利の上昇によって日本は復活する。震災復興には資金を惜しまず投入せよ。 三國陽夫氏に聞く

2011年05月21日(土) 磯山 友幸

磯山 友幸経済の死角

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 今回の大震災で国内に資本が回帰し、おカネが潤沢に回るようになれば、日本経済の20年間の停滞モードは終止符を打ち、ごく自然に成長モードに切り替わると思います。

磯山: 復興には巨額の資金が必要になります。財源論も議論されていますが、どう調達すべきでしょうか。

三國: 財政出動により国債金利が上がればいいのです。そうなれば海外に流出している資金も国内に還流してくる。あるいは海外投資家も日本に投資するようになるでしょう。銀行の信用創造機能が復活します。不動産価格、株価など資産価格が上昇に転じ、借り入れをして住宅に投資するといった経済活動が活発になると思います。デフレは収束します。

磯山: 貿易赤字に転落してもいいということですか。

三國: 日本の貿易赤字が進み、所得収支を加算しても経常赤字になると、米国債に流れていた過去に累積した黒字、すなわち資本輸出額を日本が取り戻すことになる。つまり米国が借金返済をしなければならなくなるという意味です。今の米国経済はそんな余裕のある状況ではありませんし、国際政治の力学からも難しいでしょう。日本としては輸入を相殺するくらいの輸出水準に落ち着けばいいということです。

磯山: おっしゃるように外貨準備を取り崩すのは難しいでしょうね。

三國: 90兆円の外貨準備の取り崩しは難しいでしょうが、民間の対外純資産だけでも150兆円程度はあります。国債金利が上がれば、この資金が日本国内に戻り始めます。さらに金利が十分に上がると、30~40兆円あると言われる家計のタンス預金が銀行に戻って来ます。銀行は与信を容易に拡大できるので、国内でおカネが勢いよく回ります。

磯山: 金利を上げた場合、円高になると思いますが、かなりオーバーシュートするのではないでしょうか。

三國: 1ドル=50~60円まで行ってしまう可能性はあります。そこまでいくと日本の輸出産業が立ち行かなくなります。そこで、いずれ米国のドル債務を何らかの方法で処理することが検討されることになります。結果として、日米の労働賃金の比較などから考えて、1ドル=70円台で落ち着けばいいのではないでしょうか。

 積極的な財政出動でカネが国内に回るようになれば、名目経済成長率で5~6%は基調としてあり得るでしょう。そうなれば金利が年4~5%まで上昇しても経済に問題は起きないと思います。

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