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ホストの売掛金を踏み倒し、泥沼にハマった23歳女のやるせない事情

オンナの収支報告書【17】
鈴木 涼美 プロフィール

鈴木涼美さんがオンナのお金の稼ぎ方・使い方について、独自の人脈を駆使して取材・考察する本連載。今回は、歌舞伎町ホストクラブ界隈独自のシステム「売り掛け金」を踏み倒す風俗嬢の「飛び癖」について考察します。

※バックナンバーはこちら http://gendai.ismedia.jp/list/author/suzumisuzuki

ポテンシャルを超える遊びの愉悦

人には器とか容量とかポテンシャルとか呼び方はなんでもいいがそういうものがあって、しかし私たちは時に無謀にもそういうものを超えようとすることで進化をしてきた生物でもある。

どんなに頑張って全速力で走っても、未だ3時間以内に東京から大阪に行ける人はいないが、科学の進歩はそれを可能にした。と、いうような話はここでは大げさすぎるのだが、そういうポテンシャルの限界に挑戦するというようなことはスリリングで欲望を刺激するし、時に私たちの実力を更新することだってある。

 

絶対食べられないと思っていた「20分以内に食べきったらお会計無料」みたいなメニューに挑戦する時、1分間に縄跳び何回、みたいなくだらないことを全力でやってギネス記録を狙う時、私たちは明らかに自分のポテンシャルに対して身の程知らずな態度をとり、明らかにそれに興奮し、また楽しんでいる。

そう、身の程知らずな態度というのは、興奮するし楽しいのだ。できる範囲内で何かをしているだけの予定調和で狭い世界を飛び出す時、私たちの世界は一瞬色鮮やかに煌めく。

しかし、ポテンシャル以上のことをしようとするわけであるから、当然そこには挫折と事故もつきものだ。

photo by iStock

誰も成功していない大技に挑戦するスタントマンは足の1本や2本折るかもしれないし、特盛りの牛丼は制限時間を過ぎてしまえばひたすら胃を圧迫する無駄に高額な食物と化す。偏差値50の人が東大を受けてもなかなかに受験料の無駄遣いである。

お金について言えば、ほんの少しの無謀なチャレンジはその人の実力をいつも以上に発揮する好機とならなくもないが、基本的には身の程知らずは身の程知らずらしい結末を迎える。

自分が確実に払える金額よりちょっと高めのマンションに引っ越すことでフンドシを締め直すというような話は芸人さんやタレントさんから聞くことがあるが、それだって結構危ない橋で、ちょっと間違えれば滞納地獄である。自分の出せる金額以上の車や服を買い漁る見栄はり主婦を待ち受けるのは離婚届と借金取りである。

というわけで、ポテンシャルを超える遊びはできればお金以外のところでするべきというのが私の意見なのであるが、歌舞伎町周辺にはポテンシャルを超えるお金の火遊びをする女の子たちで溢れている。

2年ほど前に出会ったレナちゃんもまた、その中の1人だった。

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