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経済・財政 週刊現代
消費増税へのゴリ押しか?財務省が「大物」を財政審会長に据えたワケ
人事に透ける焦りと危機感

大蔵省解体の屈辱

経団連の榊原定征会長が、財務相の諮問機関である財政審(財政制度等審議会)の会長に就任した。経団連の会長が財政審会長に就くのは、2001年1月から2年間務めた今井敬氏以来、実に16年ぶりのことである。

予算編成に大きな影響を与える財政審だが、財務省のこの人事にはどのような思惑があるのか。

まず、今井氏が就任した'01年当時を振り返る。財務省(旧大蔵省)は、'90年代後半に次々と明るみに出た官僚の接待スキャンダルで、世間から猛烈な批判を浴びていた。そのなかで、旧大蔵省は、中央省庁等改革基本法により金融庁と財務省に解体され、'01年1月に「財務省」へ名称が変更になった。

ちなみに、この名称変更は旧大蔵官僚には最大の「屈辱」。省庁の前に掛かる看板は、当時の大臣が揮毫するのが通例だが、大蔵官僚出身で「最後の大蔵大臣」となる宮沢喜一氏はそれを拒み、コンピュータの楷書体になったといわれているほどだ。

財政審会長に就任した榊原定征氏

そんな財務省の誕生とともに、経済財政諮問会議が設置された。'01年4月に発足した小泉政権では、竹中平蔵氏が経済財政担当相に就任した。このとき官邸には、竹中氏管轄の経済財政諮問会議を軸に、財務省から予算編成方針を奪い取るという思惑があった。

一方、財務省はこうした新しい動きに対抗。財界で圧倒的に顔がきき、ある意味で竹中氏よりも「上手」といえる経団連会長を財政審のリーダーに据えた―というのが当時の顛末であった。

 
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