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政治政策 学校・教育
「こども保険」の背後にちらつく財務省の魂胆〜まずこれを手始めに…
教育無償化なら「王道」は別にある

そもそもの意味が違う

麻生太郎副総理は自民党が幼児教育・保育を無償化する方法として、自民党若手議員らが提案した「こども保険」について「建設的な案だ」と評価した。

一方で、教育無償化を「教育国債」を発行してまかなう案には、「次世代へ先送りになる」として否定的な姿勢を示した。

こども保険は、勤労者と事業者から、いまの社会保険料に上乗せして徴収し、財源を確保するもので、小泉進次郎氏が提唱者の一人である。

では、麻生副総理がこども保険を評価し、教育国債を否定するのはなぜだろうか。

麻生副総理は財務相と金融相を兼任しているが、まず金融相の立場として「保険」という用語にはもう少し注意深くなるべきだ。

というのも、金融相は、保険業を営む保険会社に免許を与えており、その保険会社は「保険」を正しく行うことを前提としているからだ。だから免許権者である金融相が、その言葉の意味を拡げることになれば問題だ。

 

そもそも保険とは、偶然に発生する事象(保険事故)によって生じる財産上の損失に備え、多数の者(被保険者)が金銭(保険料)を出し合い、その資金で事象が発生した者に金銭(保険金)を給付する制度である。

ここでこども保険を一般的な「保険」と同様に考える。公表されているこども保険の概要によれば、被保険者は20歳から60歳の国民だ。言い方は悪いが、保険制度でいう「保険事故」は子どもを持つことに該当し、保険者は国ということになる。

だが、子どもを持つことを「偶然に発生する事象」といえるかは疑問だ。また仮にそうだとしても、年齢が上がるにつれ、子どもを持つ可能性は低くなっていく。

つまりほぼ確実に保険料を取られるだけの世代もいるわけで、そういった人々にこども保険の有用性を納得してもらえるのだろうか。

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