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日本経済はいま、「次の一手が見つからない状態」だ

金融緩和も限界に近づいて…

わが国の経済は、バブル期に迫る勢いで労働需給が逼迫している。中国経済の落ち着きを受けて、生産、輸出も持ち直している。ただ、われわれが肌で感じる景況感は、あまり回復しているとの実感は少ないだろう。

一方、海外に目を移すと、肝心のトランプノミクスへの期待がしぼみつつある。米国の景気回復がどこまで続くかも不明瞭だ。

米国経済が変調をきたすと、世界経済にはかなりの影響が出る。為替相場ではドル安・円高が進み、わが国の景況感悪化も避けられない。

その時、前代未聞の経済政策を進めるリスクを冒すか、それとも着実に構造改革を進めるか、わが国は重大な選択を迫られる可能性がある。

海外の景気回復に依存する日本経済

日本経済は、輸出に支えられ雇用を中心に回復が進んでいる。

ただ、アベノミクスが始まって以降、可処分所得は総じて横ばいだ。

中小企業が人手を確保するために仕方なく賃上げに踏み切る一方、大企業のベースアップは昨年を下回るところが多い。この状況では、多くの消費者が景気回復を実感しづらい。

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足元では、世界経済への期待を支えてきた米国の政治・経済の動きにも暗雲が立ち込めている。G20で米国が保護主義重視の姿勢を押し通したこともあり、ドルの上値は重い。

トランプ大統領によるオバマ・ケア代替法案の採決取りやめが、同政権の政策運営への不安を高めている。ホワイトハウスが共和党保守強硬派の支持を得ることができないと、今後の税制改革なども思うようには進まないだろう。

 

すでにFRBは株価が割高との見方を示している。当面、米国の株式市場は不安定な展開を続ける可能性が高い。

その中で、減税、インフラ投資に関する政策議論が進まないと、保有してきた株を手放そうとする投資家が増えだろう。その結果、金融市場はリスク回避に流れ、為替相場ではドル売り、円買いが進むだろう。円高が進むと、わが国の景気減速懸念も高まる。

その意味では、米国の景気回復の持続性が重要になる。

気がかりなのは、値引きをしても自動車が売れ難くなっていることだ。中古車の価格も下落している。一方、信用力の劣るサブプライム層の消費者のローン返済能力は低下している。

この状況が続くと、米国の需要は下振れしトランプ政権の目玉である製造業の米国回帰は進みづらくなる。

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