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米中会談の裏で金正恩がシリア大統領に送った「祝電」の中身
世界にケンカを売っているのか?

シリアでかすんだ米中対談

ドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談は、4月6日夕(日本時間7日午前)から始まった。フロリダ州パームビーチの大統領別荘「マール・ア・ラーゴ」入口で出迎えたトランプ大統領は習国家主席と形式的な握手を交わしただけだった。

米中首脳会談は、民放テレビ各局が7日朝のワイドショーで現地から中継するなど、日本でも注目を集めた。だが、米国では6日夜のCNN、FOXを始め、ABCなど3大ネットワークなどは「シリアの化学兵器空爆疑惑」一色となり、米中首脳会談を大きく報じたテレビ局はほとんど無かった。

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象徴的だったのは両首脳のメラニア夫人と彭麗媛夫人を交えた晩餐会だった。午後6時30分から始まった晩餐会は予定より早い午後8時前に終了したが、その会食中にワシントンから来た国防総省(ペンタゴン)高官がトランプ大統領に緊急報告し、指示を仰ぐシーンが何回かあった。

 

そしてその極めつけは、CNNが、晩餐会中の午後7時45分頃にペルシャ湾に展開する米地中海艦隊の駆逐艦がシリア国内のシャイラット空軍基地など軍事施設に対して巡航ミサイル「トマホーク」59発を打ち込んだと、速報したことである。

そもそもは4月4日、シリアのアサド政権が、同国北西部イドリブ県の反政府勢力の拠点を空爆した際に化学兵器(猛毒ガス・サリン)を使用し、死傷者が1000人以上に上ったと、現地で活動する国際医療団体「シリア医療救援組織連合(UOSSM)」が発表したことが契機となった。

これを受けてトランプ大統領は翌日5日の記者会見で、「化学兵器で子供や赤ん坊を殺したことは容認できない。アサド政権はレッドライン(越えてはならない一線)をいくつも越えた。シリアとアサド大統領への私の考え方は大きく変わった」と発言、シリア政策の転換を示唆していた。