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ガラパゴス化する日本のシェアビジネスで「一人勝ち」のサービスとは
AirbnbもUberも苦戦中だが…

「民泊」を解禁する法案が今国会で成立する公算が高まっている。法案が成立すれば、これまでグレーゾーンとされてきた民泊が正式に認められることになる。ただ、営業日数に制限が加えられたことから、民泊ビジネスの今後には順風満帆とはいきそうもない。

民泊と同様、外国からの黒船として日本に進出してきたスマホでハイヤーを呼べるライドシェアサービスのウーバーも、事業展開は苦戦が伝えられている。

一方で、既得権益との争いが少ないカーシェアなどの分野では、急速に市場が拡大している。日本はシェアリング・エコノミーの分野においても、独自のガラパゴス的進化を遂げてしまうのかもしれない。

メジャーになるにつれてトラブルも増加

政府は3月10日、住宅宿泊事業法案(民泊新法)を閣議決定した。この法案は、住宅の空き部屋を旅行者などに有料で貸し出す、いわゆる「民泊」の解禁を目的としている。

民泊はシェアリング・エコノミーを代表するサービスのひとつであり、民泊の仲介サイトとしては、外資系企業のエアビーアンドビー(エアビー)が有名である。

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2014年頃まで、民泊はごく一部の利用者だけが知るマイナーなサービスだったが、エアビーが日本に進出してからは状況が一変。2015年時点において、すでに2万件を越える物件がサイトに登録されている。

しかし民泊がメジャーな存在になるにつれて、いろいろと問題が指摘されるようになってきた。民泊普及の動きに真っ先に反応したのが旅館業界である。

顧客からお金を取って宿泊させるには、原則として旅館業法に基づく許可が必要となる。提供するサービスの形態によってホテルや旅館、簡易宿泊所(カプセルホテルなどが該当)など形式は変わるが、いずれにせよ相応の設備を整える必要があり、旅館業法に基づいた営業を行うためには一定のコストがかかる。

民泊サイトに登録しているホストの多くは旅館業法の許可を取得しておらず、これを旅館とみなした場合には無許可営業ということになってしまう。

 

エアビーの利用者とホテルや旅館の利用者が完全に重なるわけではないが、一般的なホテルや旅館と比べた場合、民泊の値段は安く、場合によっては顧客の奪い合いになる可能性がある。旅館業界が民泊に強い警戒感を示したのはこうした理由からだ。

一方、マンションの住民などからも、懸念の声が出始めた。

マンションの1室が民泊用に使われると、その部屋には入れ替わり立ち替わり、多くの人が宿泊することになる。中にはマナーの悪い宿泊者もいるため、一部のマンションでは騒音などのトラブルが発生。部屋の持ち主と管理組合との間で訴訟になるケースも出てきている。

こうした状況に歯止めをかけ、民泊の利用について明確なルールを定めようというのが、今回の法案提出の目的である。

ところが、この法案が成立すれば、問題は解決なのかというとそうもいかないようだ。日本の民泊には少々特殊な事情が存在しているからである。