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社会保障・雇用・労働 不正・事件・犯罪
「コイツには何言ってもいい系女子」が密かに我が身を切り刻んでる件
電通過労自殺が伝えるもう1つのこと

長時間労働だけが問題だったのか

新入社員が入ってくる季節。この時期に、問題提起しておきたい。

昨年、電通の新入社員の女性の過労自殺のニュースを見て、「同じ大学出身」「よく知っている会社」「女性」と自分と共通項の多い女性の自死に、言葉にならない衝撃を受けた。

長時間労働についての取材や改善に向けた取り組みを進めていたなかで、まだこのような事件が起こっていたことに暗澹たる気持ちがした。

その後、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班などが立ち入り検査などをしたことから、長時間労働是正の動きにつながり、遺族と電通は再発防止策で合意をした。ひとまず大きな動きは終わったように思える。

ただ、今回書きたいのは長時間労働の話ではない。

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長時間労働はもちろんなくしてほしい。でも、それさえなくせばいいのかというと、そうではないような気がしたのだ。仕事のコントロールができるか、裁量権があるか、やりたい仕事か、などが大事だという論調もある。それもある。でも、今回はその話でもない。

女性ゆえの苦しさ

弁護士と遺族の方が公開した、自死された高橋まつりさんのツイートを見て、自分や、周りの同級生や後輩が今日や昨日つぶやいている内容でもおかしくないと感じた。

そのつぶやきをした彼女が今はもういないこと。取り返しのつかないことになってしまったこと。そのことに大きなショックを受けた。

「よくある話なのに、彼女が自死したのは彼女が弱いからだ」と言いたいわけではない。よくある話であるからこそ、自死に至るほど追い込まれている予備軍が今も山のようにいるのではないかということに心底ぞっとしたのだ。

 

長らく、過労死、過労自殺は男性のものだった。それが、女性にも起こったということは、女性の総合職が増え、同じように長時間労働を強いられているという背景がある。しかし、男性と同じ要因だけだったのか。そこに女性ゆえの苦しさがなかったか。

高橋さんの遺族の弁護士でもある川人博氏の著書を読むと、91年に電通の新入社員男性が過労自殺で亡くなった件では、靴に注いだビールを飲むよう強要されたなどのパワハラの実態が書かれている。

今回高橋さんに対する、身体的ないじめについては特に指摘されていない。

しかし、私が高橋さんのツイートで思いを馳せたのは、男性と同等に働くことが期待される総合職系女性が、同時に「若手女子」としてのダブルバインドのストレス環境にさらされているという現実である。