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月300万円使う!ホストクラブに毎日通う女の気になる日常
オンナの収支報告書【15】

鈴木涼美さんが「オンナのおカネの稼ぎ方・使い方」について、独自の人脈を駆使して取材・考察する本連載。今回は、ホストクラブに毎日通い詰める2人の対照的な女の子の気になる日常を追跡します!

※バックナンバーはこちら http://gendai.ismedia.jp/list/author/suzumisuzuki

キャバ通いオヤジよりも働き者

歌舞伎町のホストクラブに行くと、どの店にも必ず毎日いるお客様というのが大抵1人くらいはいる。1人で飲みに来て、決まった席に座り、担当ホストとは最早話す話題もなく、気だるく携帯などをいじっていたり、ヘルプの男の子と話し込んでいたり。そして多くの場合が20代の若い女の子である。

「お前だけだよ❤」が営業の根幹にあるホストクラブの中は、自分の指名しているホストが他の女の子にどんな風に接し、どんな話をしているのかがわからないよう、ホールは席ごとの仕切りだらけ、うるさいBGMはかかりっぱなしである。

稀に私のような非常識な客が、隣の席の痴話喧嘩を盗み聞きしていることはあるかもしれないが、基本的には他の客は見えないものとして振る舞うのがマナーとなっている。

ただ、さすがに毎日同じ席に座っている客がいれば、何度かその店に通った客は気づくことも多い。そしてこれといって真新しい話題のない店内では、しばしばそれとなく噂が囁かれたりする。

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「あの人、毎日いるよね?」「何してる人かな?」「愛人らしいよ」などなど。ゴシップ好きの皆様ですから、そもそも結構客単価の高いホストクラブに毎日くる資金と時間と体力がある若い女の子がどんな女の子なのか、興味があるのだ。

ホストの売り上げを支え、最もお金を使っている客をエースと呼ぶが、最もお金を使っているかどうかにかかわらず、そうやって毎日来て席に座っている女の子は本数エースなんて呼ばれている。

1回の金額が数十万円というお客ももちろんありがたいのであろうが、売り上げナンバーの他に指名本数も競っていることが多いホストにとっては、それほど高くない会計でも頻繁に来てくれるお客もありがたい。

それに、例えばそのホストがそれほど安定して客が呼べるわけではない新人だったりする場合、呼ばなくとも毎日1卓は自分の席があるというだけで天国である。タバコも吸い放題、ヘルプについて無理やり酒を飲まなくてもやり過ごせるからだ。

 

キャバクラやクラブにも毎日必ずいる客というのはいるのだが、キャバクラに入り浸っているおじさんが「いいご身分だわ」「仕事しろよ」なんてやや冷笑的な眼差しを向けられるのに対し、ホストクラブに毎日いる女の子は大抵、たまに遊びにくる女の子や何人かで一緒に遊びにくる女の子たちよりも、ずっと働き者である。

おじさま方が老後の暇つぶしや仕事の疲れを癒しに、あるいはちょっとした夢を見に通っているのとはワケが違う。彼女たちの生活は全てがホスト通いを中心に回っている。

私は運良く、2人の現役本数エースを直接知っている。1人は、担当ホストの指名本数に関しても毎月の売り上げに関してもダントツに一番貢献している正真正銘の売り上げ兼本数エースで、月に使う金額は300万円前後という女の子である。

もう片方の女の子は、売り上げについては他に高額を使うお客がいる上に、彼女自身の1回のお会計はかなり少額という純粋な本数エース。月に使うのはせいぜい60万円〜70万円。

彼女たちは見た目の雰囲気も収入も職業も違うのだが、生活を回して行く根幹にあるメンタリティがとても似て見える。

そして、なぜ若い女の子が1回数万円もするホストクラブに入り浸るような生活が可能であるかは、彼女たちの生活を見るまで私にはとても大きな謎だった。