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企業・経営 経済・財政

日本政府は本当に「東芝メモリ」を救うべきなのだろうか?

技術流出の懸念は分かるけれど…

ここに来て、一連の東芝問題が新たな局面を迎えようとしている。東芝再建に伴う米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)の破綻処理雇用に係る問題と、半導体メモリ分社の行方による技術の流出懸念である。

今回はこの半導体の技術流出の懸念を中心に述べたい。

「東芝メモリ」売却に伴う技術流出とは?

先週の日経新聞は、東芝が分離・売却する半導体事業の新会社「東芝メモリ」について、売却先が外資系企業となる場合、外為法による事前審査の対象とする方針とし、東芝の一部技術が軍事転用できる恐れがあるため、売却の中身次第で計画の中止や変更を勧告すると報じている。

政府系金融機関による一部株式取得を検討するなど、再建加速と、基幹技術や雇用の流出阻止を同時に進めるということだが、現在、東芝メモリの入札にはライバルの韓国・台湾勢などが関心を示している。海外への技術流出を防ぐため、経済産業省も官民ファンドを活用し、外資傘下になっても日本勢として一定の株式を確保する必要があると判断したらしい。

私は従来より、外資だろうが日系企業であろうが、民間が手を挙げている以上は、民間に任せるのが筋だと考えている。経済合理性の中で検討してそのビジネスの価値を精査することが原理原則であり、そこに政府や東芝自体の情緒的な思いを入れるから、モラルハザードが起きるのだ。

政府が関与してやむを得ないのは、国防に絡む、航空、エネルギー、電波などである。今回はこの辺りを詳しく述べたい。

 
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