企業・経営

三越伊勢丹「社長クビ」の裏にある醜悪な社内抗争

飛び交う怪文書、大西派の粛清…
週刊現代 プロフィール

幹部たちは大西氏が行ってきたことをことごとく否定し、まるでオセロを引っくり返すかのように、社内の空気を変えようとしているが、裏を返せば、それだけ大西氏には敵が多かったということ。

三越伊勢丹の幹部社員が明かす。

「大西さんはとにかく現場重視の人。『お買い場』(売り場)の意見が第一で、役員、部長レベルの幹部の声に耳を貸すことが少なかった。そして、意見を聞かない割には『社員は管理職になった途端、守りに入ってしまう』と厳しい。気に入らない人には、人事でそのことを示すこともあり、ノーとも言えない」

大西氏の強権に対する不満、憤り――こうした思いを抱えた役員を束ね、大西氏に辞任届を突きつけたのは石塚邦雄会長だが、実はもうひとり重要な役割を担った人物がいた。前出とは別の大西氏の知人が話す。

「怪文書には、ある大物OBの関与があったと、大西さんは考えているようです。そのOBと大西さんはかつて上司と部下の関係で、大西さんはかなり絞られた。大西さんにはその恨みがあったのか、大西政権時代にそのOBは要職から外され、そのまま退職となった。二人の間には遺恨がありました」

 

上層部の都合ばかりで進んだ一連のゴタゴタを、現場の社員たちは冷ややかに眺めている。前出の中堅社員が憤る。

「たしかに大西さんは独断でものを決めすぎたかもしれませんが、役員の側も大西さんに何も反論できなかった。頭はいいかもしれないけど、マネジメント能力がない、役員として力不足な人たちだったということです。

挙げ句、大西派を粛清して社内抗争に精を出すんだから世話はありません。本当にお客様のほうを見ているのでしょうか」

こんな状態では、三越伊勢丹の復活の日は遠そうだ。

「週刊現代」2017年4月8日号より