企業・経営

三越伊勢丹「社長クビ」の裏にある醜悪な社内抗争

飛び交う怪文書、大西派の粛清…
週刊現代 プロフィール

大西氏の知人が語る。

「ご夫妻はとても仲がいいですよ。大西さんは、お母さんが気の強い方なのですが、『あのわがままな母親を上手に受け入れてくれた妻は本当にすごい。感謝している』とノロケていました。

奥さんは赤坂のマンションにも通っているようで、都心で娘さんも含めて3人でよく食事もしていると聞いています」

だが、夫人によると、大西氏が離婚をするという話は三越伊勢丹のOGにまで伝わっている。それくらいこの話は、同社の関係者の間に広まっているのだ。

前出の関係者が話す。

「大西さんの求心力を削ぎ、新たな体制をスムーズに発進させるため、誰かが意図的に悪評を流している可能性も十分にあります。怪文書を撒くという醜悪な手口からして、ウソでおとしめることも平気でやるでしょう」

大西社長の辞任が決定したいま、社内抗争は「大西派を徹底的に弾圧し、排除する」という新たな段階を迎えている。

それは3月13日に杉江俊彦新社長が発表した新体制にもはっきりと現れている。人事を目の当たりにした三越伊勢丹の中堅社員は驚愕した。大西派に対する粛清の嵐が吹き荒れたのだ。

「大西さんに近い幹部たちが完全に傍流に追いやられているんです。象徴的だったのは、伊勢丹新宿本店店長で常務執行役員だった鷹野正明さんの人事。役員も店長もクビになりましたが、普通はありえないことです。

鷹野さんは大西さんを慕っており、大西さんが伊勢丹立川店の店長時代につくった資料を、バイブルとして全部持っていた。『そんな人物を役員に置いておけるわけがない』という反大西派の声が聞こえてきそうです」

その一方で、逆にこれまで冷遇されてきた幹部たちが、「本流」に戻ってきているという。

「竹内徹さんがその筆頭です。竹内さんは大西さんと一緒に伊勢丹のメンズ館の立ち上げに関わっていますが、二人は関係が悪かったそうです。

竹内さんは昨年まではグループ会社である札幌丸井三越の社長に就いていましたが、これは大西さんから『飛ばされた』のだと言われています。昨年本社に戻ってきましたが、役職は人財本部長(人事部長)。百貨店の王道からは外れていました。

ですが今回、事業会社の重要ポジションである百貨店事業本部長、商品統括部長の役職に就き、専務役員に昇任しました。『反大西』の色が濃い人で中枢を固め、二度と大西さんが復権できないようにしたいということでしょう」(前出・関係者)

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怪文書を撒いたのは誰だ

人事だけではない。これまで大西氏が力を注いできた事業や社内でのイベントも、その存在と存続が真っ向から否定されている。

「大西さんは『スピードアップ』や『新規事業』が好き。その一環で、部署間の相互交流、相互理解を深めるための『社内オープンイノベーション』という社内勉強会を開いていました。大西さんの辞任決定後、この会の延期が発表された。存続するか否か検討にかけられていると見られています」(前出・中堅社員)