学校・教育 子育て

子どもに対してこれだけはやるな!カウンセラーが明かす逆算の育児法

【新連載】世代間連鎖を防ぐ子育て論
信田 さよ子 プロフィール

家族が機能するには世代間境界が大切

悪循環をどのように断ち切るか、ということが家族療法の1つの目的になります。

家族療法の中でもミニューチンに代表される構造派と呼ばれるひとたちは、境界(バウンダリー、boundary)を大切にします。個人の境界というより、両親と子どもたちの世代間境界を重視するのです。

家族をひとつのシステムととらえると、それは夫と妻が形成する「夫婦サブシステム」と、子どもたちの形成する「子どもサブシステム」の2つから形成されます。そして、2つのサブシステムのあいだには世代間境界が存在するのです。

この世代間境界があいまいだったり、時には弱かったりすると、親のひとりと子どもとが密着して世代交差的連合を形成することになります。

わかりやすく言えば、夫との関係がうまくいかない母親が、子ども(しばしば娘)を自分の望むように仕立てて、夫の存在を疎外してしまうというような現象のことです。これを世代間境界の侵犯と呼び、娘にさまざまな問題が生じがちになります。

では世代の境界を堅く強くすればいいのかと言えば、度がすぎるとかえって家族メンバー間の交流や情緒の遮断となってしまいます。適度な世代間境界の形成と尊重が、家族関係を適度に機能させる。この考えは私たちのカウンセリングでも重要な役割を果たしているのです。

(第2回「母親が無意識にやりがちな"脅し"」はこちら

もてる世代の親と、無職の子ども。依存症者とその家族。経済的DV…。リアルな事例から現代日本を浮かび上がらせ、実践的な打開策を満載。