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米・ティラーソン国務長官の外交力は小学生レベルかもしれない

日韓中歴訪で露呈した信じ難い能力不足
近藤 大介 プロフィール

ヒマで仕方ないのか?

ところで、ティラーソン国務長官は、ソウルから北京へ向かう国務省専用機で、他にやることがないのかと訝いたくなるほど、マクパイク記者のロング・インタビューに応じている。その要旨は以下の通りだ。

・日本は経済規模から言って、この地域における最重要の同盟国だ。それは安全保障、経済、平和と安定などの立場から見て、過去においても現在でも同様だ。

・韓国は日本と似ているが、北東アジアの平和と安定において、比較的安定した、重要なパートナーだ。

・アメリカの目的は、朝鮮半島の非核化だ。核開発が必要だと結論づけている北朝鮮の体制に、その誤った理解を変えさせることだ。

・われわれはあらゆるオプションを排除しない。その一つは、北朝鮮に「制裁」という強力なメッセージを送ることだ。プレッシャーを強めて、いま彼らが考えている道は閉ざされていくと分からせることだ。

・第一ステップは、国連安保理による制裁で、もっと広範にやっていく。それは北朝鮮の恫喝外交を助長するためではなくて、彼らの道を変えさせるためだ。

・もしそれでも彼らが核とミサイル開発を続けるなら、われわれは誰も望まない方向に向いていくだろう。そうしたアクションによって彼らの考えを変えさせていくしかない。それはいまよりもかなり危険な状態になる。

・中国にも、このことで北朝鮮に影響を与えてもらう。米中両大国は共に、朝鮮半島の平和と安定を望んでいるのだから。二つのグレートパワーとして、朝鮮半島を非核化しようということだ。

・中国とは広範な問題について話すつもりだが、北朝鮮の脅威は差し迫ったイシューだ。彼らは兵器を開発し、それを運搬するシステムを身に着けようとしているからだ。

・中国に関しては、トランプ大統領と習近平主席との間で、ハイレベルの話をしてもらわないといけない。とにかく両首脳が顔を合わせて話すことが大事だ。

・中国自身の人権問題も、改善するよう言及したい。

 

・われわれは米中関係の歴史的な瞬間に立ち会っている。ニクソン大統領とキッシンジャー補佐官が訪中し、道を開いてから40年。中国は経済発展し、世界に存在を見せつけてきた。米中は過去に、朝鮮半島以外で直接戦ったことはない。特にこの40年間の関係は素晴らしかった。いまは互いにフレッシュな気持ちで、次の50年の両国関係について話す時だ。それは米中で紛争が起こらない時代を作るということだ。

他にも、ティラーソン国務長官はなぜメディアを同行させないのかとか、公用の携帯電話と孫と話す私用の携帯電話を使い分けているとか、ダラダラと語っているが、それはアジア情勢とは無関係なので、省略した。

〔PHOTO〕gettyimages

米中外相会談を終えて

3月18日、北京で王毅外相と米中外相会談を行った後、両外相が共同記者会見を行った。その時にティラーソン国務長官が語ったのは、以下のようなことだった。

・過去40年以上にわたって、米中に紛争や軍事衝突が起こっておらず、互恵とダブルウインの関係を築いてきた。いまこそ両国のリーダーが、次の半世紀の関係を話し合うべき時に来ている。両国は世界の2大経済大国であり、安定と成長を促進していかねばならない立場にある。両国はフェアで配当を払うポジティブな貿易関係に向かって進んで行くべきだ。

・王毅外相と、北東アジア及びアジア太平洋の安定と安全保障の重要性について話した。過去20年の北朝鮮の違法な兵器開発を止める努力は成功してこなかった。中国も朝鮮半島の非核化を目指しているので、米中は決意を新たにして北朝鮮問題に望みたい。

・海上の紛争と、航行・航空の自由については、ルールに基づいた秩序作りが重要だということを議論した。アメリカは、人権や宗教の自由など普遍的価値の提唱は続けていくと明らかにした。

・北朝鮮に関しては、王毅外相と、現在かなり危険なレベルになっているとの認識で一致した。そして重要なのは、北朝鮮に核開発の方針を変えてもらうことだということでも一致した。

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