トルコの政府支持系日刊紙〔PHOTO〕gettyimages
国際・外交 ドイツ EU トルコ
ドイツとトルコの罵り合いが、欧州に「最悪の結末」をもたらす可能性
また一つ、世界に新たな火種が出現した

メルケル氏をナチ呼ばわり

ここ1ヵ月、トルコがEUを相手に大暴れだ。とくに、ドイツとオランダの対トルコ関係が急激に悪化している。つい最近まで、毎日、トランプ氏の動向を非難がましく報道することに明け暮れていたドイツメディアも、今ではトルコ非難ばかり。

この騒動には、3月15日に実施されたオランダ総選挙と、4月16日に予定されているトルコの国民投票が深く関係している(いた)のだが、日本ではそこらへんがほとんど報道されない。

オランダの総選挙の結果はというと、極右だとか、ポピュリストだとか言われているヴィルダー氏(PVV・自由党)が負けて、現与党のルッテ氏(VVD・自由民主国民党)が再び第一党になった。メディアはこの選挙結果を寿ぎ、ヨーロッパの理性の証明などと言っているが、そんな単純なものではないだろう。

ヴィルダー氏(左)とルッテ氏(右)〔PHOTO〕gettyimages

ルッテ氏が、迫り来る右派ヴィルダー氏の追い上げを辛くも振り切れたのは、選挙戦最後のギリギリになって、まさにそのヴィルダー氏の主張であった反移民政策を、巧妙に横取りしたからとも言えるのだ。

一方ドイツ政府も、これまでは、トルコ政府が自分たちに浴びせてくる火の粉は、大人の対応で乗り切ろうとしてきたが、ここに至って方針を変えたようだ。

トルコのエルドアン大統領が、メルケル氏をナチ呼ばわりしたことに対し、3月20日、ドイツ政府は強く抗議をし始めた。すると、21日、エルドアン氏が「ヨーロッパは第二次世界大戦直前のファシズム台頭と同じ状況」とさらにダメ押し。

翌22日、新ドイツ大統領、シュタインマイヤー氏が、就任スピーチでトルコに民主主義を要求するという異常事態。まさに泥仕合になっている(大統領は、本来は“政治的”であってはならない)。

就任演説中のシュタインマイヤー氏〔PHOTO〕gettyimages
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